▼嘘 、 吐 き た が り

おかしいぞ私は此処に来た際に、死亡フラグを避けねばと胸に秘め強く凛々しく孤高に生きてきた筈なのだが......この右足に引っ付く穴掘り小僧と私の左隣で引っ付き虫を回収に来た自称、学年一成績優秀者は自慢話をするだけで中々離れてくれない。おいふざけんなよ、もう右足が悲鳴をあげてるんだよそろそろこいつを引き剥がしてくれよ。私は君がこの穴掘り小僧をどうにかしてくれると思い自慢話を黙って聞いてたんだよ!いや、おもしろいけどさ!ナルシスト度がもう上級者レベルすぎて聞いてるの楽しいんだけど今は掃き掃除があるからやめてほしいかな!また吉野先生に怒られたらどうするのさ!最近あの人私にも怒鳴るし拳骨してくるしでなんか....受け入れられてる?から気持ち楽になったけど怖いんだよ!


「で、あるからにしてわたしは忍術学園でルックスも戦輪もNo.1なんです」

「へー、すごいね。今度は日本一をめざそーねー」

「そうなんです。この平滝夜叉丸、此処で満足しているわけにはいかないんです流石天女様!よくわかっていらっしゃる!」


凄い感情表現が激しい子だね。最初、この穴掘り小僧が私の足に絡みついているのを見たとき世界の終わりみたいな顔してた癖に今は満面の笑みか。あー、またぐだぐだと薔薇を背景に語り出してしまった。
右足に視線を向けるとひっつき虫は私を穴があくんじゃないかってほど凝視してくるし。なにその可愛い顔!狙ってるのか!その割に穴を掘って鍛えただけのことはある上腕二頭筋で右の太もも締め付けやがって!!


「滝のことはほっといて掃除しちゃったらどうですか?」

「お前が私からどいて」

「お前じゃないでーす」

「じゃあ、誰よ」

「ほんとは僕達のこと知ってるんでしょう?そろそろ本性バラしたらどうですかテンニョサマ」


この野郎よくわかってんじゃねぇか。少し困った顔をすれば唾を吐かれた。糞かわいくねーよ。アイドル学年なんだろ!?愛嬌ふりまけ!そして私に関わらないでよ!自己紹介してくれないから穴堀小僧ってあだ名つけたけど長くて呼びづらいから嫌なんだよ私の思考ですらだしたくないんだよ、もう!無視だ。そうだよ私こいつを居ないものと思って過ごそうじゃないか。あれだ、右足の重みは私の体重負担がきたと思えばいいんだ。滝夜叉丸君には退散していただこうこの役たずと心の中で悪態つきながら「夢は大きくだから世界にも進出できるようにもっともっと技に磨きをいれてきなよ私なんかと話してたら時間の無駄になっちゃう」自分を卑下し相手を持ち上げる。彼はなんか知らないが頬を染め「名前さんと話す時間は私には楽しいです....で、では、修行に向かいます!」と走り出してしまった。そうかそうか楽しいならなによりだ。穴掘り小僧が目を見開いて私を見てくるがしらんぷりだ。


「貴女は一体誰を狙ってるんですか?」

どんなに強く右足を締め付けられても無視だ無視

「滝には興味ないんですか?」

やめろよないわ。大体五歳以上も離れてるのにトキメクわけないだろうが....ってあれ?違うから今の違うから今のは勝手に頭が動いてね.....

「どうして此処なのさ」

おい、敬語が抜けてるぞ....あ、じゃなくて私には何も聞こえないおーけー?

「貴女達がいう人殺しのない世界と此処はちがうんだよ?」

おい、鼻水と涙を私の服でふくんじゃねーよ!あ、違うこれは私の汗だそう汗なんだよ!

「何も知らない癖に無責任な言葉で意図も簡単に僕達を傷つけるのは何故?」

そろそろ掃き掃除を終にして風呂を沸かしに行こうかな。その前に箒かたさなきゃ。

「ねえ、聞いてるの?」

あ、そうだ風呂沸かし終えたら薪割りしないと。きり丸くんもやってくれてるけどいかせん子供がやってくれた量では足りないので私も内緒で割ってたりする。それできり丸くんのお駄賃もあがってくれてればいいな、なんて本人には聞かないけど。

「重くないの?」

「」

「僕は綾部喜八郎だよ」

「」

「....ぐすっ... .」

「っで!!」


誰だよ後ろから飛び蹴りかましてきたやつ立花仙蔵だよ!私にこんなことしてくるやつこいつしかいないよね!わかってたよ!わかってたけどただの強い風だと思いたかったな!私ほんと思い込むことに必死だな今日!
私が倒れれば綾部が怪我をすると思いなんとか右足を踏ん張り箒で体勢を整える。それを見た立花は顎に手を添え満足そうに「よく喜八郎を庇ったな褒めてやろう」と抜かしやがった。


「何のようですか立花クソ野郎」

「死ね」

「立花くん私になんの御用でしょうか」


焙烙火矢を出すなよ!そしてなんで懐からそんな掌サイズのだせるんだよ!絶対おっぱーい!てなるだろ!


「喜八郎を泣かせているクズが居たので制裁に参ったんだ」


その喜八郎君共々転ばせて怪我させようとしたのは君だよ。危なく被害者になりかけた綾部は「立花せんぱーいブスの癖にあいつ僕の話をきいてくれないんですー」って駆け寄っていきやがった。おいこらブスってどーいうことだ!私は中の中だと自分では思ってんだ整った顔してるからって自分より下は皆ブス扱いか!


「よしよし、可哀想に喜八郎。こんな頭の悪い女に近づいたら馬鹿になるぞ」

「おいこら。」

「でも立花先輩こいつ僕が作った落とし穴に中々落ないんです。ターコちゃんが悲しんでいるのをほっとけません。」

「私に落ちろってか!つまり死ねってか!」


ああ、もうやだ。こいつら相手にしてたら疲れる。私にはこれから仕事があるんだなんか抱き合って二人の空間作ってるし置いてこ。右足の重りは取れたし良しとしよう。




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