▼掌 の 中 、 疼 き 喚 く 春 の 色

はい。こんにちは。 名字 名前です。覚えていますか?いませんよね初対面ですものね。それでは初めまして。さようなら。とは、させていただけなかった忍術学園敷地内。私は某子供番組にトリップしてしまったみたい。帰りたい恥ずかしい。え?これもしかしてテレビ放送されちゃうんじゃない? 名字 名前の段とかさ! あ、甥っ子見てるかも!空に向かって手を降ってみるがなんか虚しくなってきた。それよりなにより私を見ている少年達の目が鋭すぎて穴があきそう。そんな武器なんか構えちゃって穏便にすまそうよねえ。なんかまた落ちてきたとか痴女だとか死ねとかみんなひどいよ!いじめだよ!おい、隈野郎おぼえとけよ!お前さ、私のこと痴女とか言うけどこの素晴らしいおみ足をガン見してんじゃねーか!欲情してんだろ!素直に舐めたいですって土下座すれば触るぐらい許そう。わたしの思考を読み取ったらしい緑色の忍び服のやつらと群青色何人かも吹き出して笑いをこらえていた。勿論、隈野郎は「殺す殺す殺す!」と顔を赤くして襲いかかって来ようとするのを真顔のサラストに止められていた。仲良しなんですね。私も仲いい友達がいましたよ。三年間着た制服に身を包み卒業日前日、予行練習だと集められガヤガヤふざけあったり語りあったりしていたというのにちょっと体育館が寒くてトイレに行ったらこれだよまったく。出すもん出してスッキリー!て欠伸しながら出たらココ!!あの一瞬目をつぶった私が悪いの!?今頃、あいつトイレながくね?うんこじゃね?てなってんじゃん!そうこうしてるうちに黒い忍び服の方々に拘束され忍術学園ボスの前に突き出された。畳に擦れて膝が痛いです。腕は後に回され縄で結ばれているから受身とれないんだからね!もうちょっと優しく扱ってよ木下鉄丸!!女の子は豆腐のように優しく!!土井先生が注意してくれてるやばい惚れそう流石初恋キラー。まじまじと私を見てくる学園長先生。はいはい、はやく座りますよ。痛いのを我慢して正坐をすれば先生方もそれぞれの場所に腰を降ろした。おじいちゃん曰くこうやって突然訪れたのは私だけじゃないらしい。総称して天女って呼んでるんだけどまったく天女とリンクしないよねお前らみたいに下卑られても私は嫌な顔せずに笑ってはいはい聞いてたよ。偉い!話し長いしなんか難しい事しか言わないからめんどくさくなってそのままはいはい頷いてたらいつのまにか私、間者と間違われていた。やだ、くの一かもしれないだって!照れる!こんな一般ピーポーを世に言うボインの不二子ちゃんだと思ったわけでしょやっぱり私には秘められた何かがあるのかもしれない。ニヤニヤしてればいつの間にか戸が1つしかない部屋に入れられていて尋問されるわ閉じ込められるわでなんなのさ!せめて腕の縄といてよ!しびれてきたよもー!部屋を見渡せば薄い布団と灯りをつけるやつこれなんて言うの?使い方わかんないからあっても無駄無駄。これってもしかして監禁?ため息をひとつ零したらおじいちゃんが現れて「わしも先生達もお主がただの女子だと思うが職柄確かな証拠がなければ信じられん。もうしばらく此処に居てもらう」拘束を解きながら話してくれたからおじいちゃんの好感度はあがった。だけどしばらく此処からでちゃいけないのか引きこもりか。


そしてそんな日が5日。どうやって日にちを数えたかって?ご飯を出された回数と風呂に入った回数とですよ。おかげでくの一教室の先生らしいシナ先生とは一緒に風呂に入る仲になれたしご飯を運んでくれる小松田君と新野先生ともお話するようになった。新野先生なんかもう優しすぎて押し倒しそうになったわ。抱いて欲しかったわ!!この糞ガキ共毎夜わたしの部屋にきて殴る蹴るのタイマンはってきやがってよ!タイマンっていうか一方的な暴力だったけどさ!そんな私の怪我をみて彼が謝ってくれたし手当てしてくれたし新野先生らぶ!私はあなたを愛してる!やっぱり大事なのは包容力だよ!


「貴様自分の置かれている立場をわかっているのか?」

「わかっていますよ。おーしくしく。体中が痛くて死んでしまいそうだわ。こんないたいけない少女に拷問まがいな事をして何が楽しいっていうの!ほら、そうやって暴力で解決しようとするだからいだだだだだだだだだ。すいませんごめんなさい慎みます。くそハゲろ。」


陽の光が扉の隙間から見えていたから遊びにきてくれた小松田君だと思い私は笑顔で向かい入れてしまった。立花仙蔵と善法寺伊作、クソ野郎が揃ってきやがったあああああ!第一声わたしは「帰れと」叫んだ瞬間不運野郎が投げた包帯が顔面にクリティカルヒットした。もうやだこいつら。髪の毛をサラストに鷲掴みにされ部屋の奥に引き摺られる。わーん。せめて常識人の食満かフェアリー中在家来てよー!こいつらダメだよ鬼畜野郎はペアくんじゃいけないよ!このクソ野郎絶対いつか仕返ししてやる!救急箱から薬とかを取り出した善法寺伊作は私に怪我をしたところを見せろと言ってきたが断固拒否だ!


「悪化したらどうするんですか。大人しくしてください。」

「塩でも塗っておけばいいだろう」

「保健委員としてそれはしないよ仙蔵」


優しさアピールしても無駄無駄イケメンだからって私はほいほい気を許さないぞ。その顔とドジっ子だけどやる時はやるあざとさで何人もの女を手玉にとってきたんだろうが私はそうはいかないよ。なんてったって新野先生に惚れてるんだから。私の抵抗も虚しく善法寺はサラストに私を捕まえさせ処置しはじめた。


「 名字さん僕は あなたに怪我を負わせた覚えはないですよ?この怪我もその痣もやったのは後ろのクソ野郎です。」

「伊作、私に喧嘩を売っているのか?」

「だって仙蔵と同じカテゴリーに分類されるの嫌じゃないか。寧ろ僕に謝ってよ。」

「後で覚えておけよ。喜八郎にいつもより深く穴を掘るように言っておく。」

「そうやってすぐに暴「うるせーよ!いてーよ!傷口をえぐるように消毒液つけてくるお前もいい性格してるよ!私からすればどっこいどっこいだよ!」


後ろのサラストも逃げないようにと掴んでいる肩をだんだんと爪が食い込むように力いれてくるしよ!喧嘩ならよそでやってよ!喧嘩なの?よくわかんないけど似たもん同士仲良くやれよ!


「良い性格だなんて 名字さん僕は保健委員として当たり前の事をしているまでですよ。」

「素敵な勘違いをなさってるよ君」

「お前の目は節穴か!」

「めんどくさいな君達!」


早くここから出たい。帰ってゆっくり寝たいな。毎夜人の安眠妨害しやがってこっちの迷惑考えろよ!床に敷布団一枚だから固くて体中が痛くなるしさ!寝間着も着物一枚で寒くて死ぬかと思った。まったくさ、なんで上級生は私に突っかかってくるかな。思春期ですか?




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