▼殺 気 を 削 が れ た 猛 禽 類

忍者のバレーボールを舐めちゃいけない。何でこの時代にバレーボールがあるの?とかこのバレーボールどうして割れないの?どっから仕入れてきたんだて考えようものなら顔面にボールが飛んでくる(主にうどんによるものと伊作君の悪意ない不運によるボールで)。ギンギンアタックとかいけどんスパイクとかまずお前らそれで人殺せるからてレベル。笑えない、笑ってるの暴君とギンギンとショタ好きだけ。食満の下級生に送るファンサービスやばい。食満先輩がんばれー!と富松君や用具委員の子が言えばウィンクしたりはにかんだりピース向けたりお前はアイドルか!爽やかだしよ!同じチームだから許すけどさ!!こっちとらまったくたのしくねーよ!こんな生死を掛けたバレーボール始めてだよこんちくしょー!基本いけどんブロックとか中在家が無言でボールとってくれたり食満君が無駄にこっちのボールまで拾ってくれるから雷蔵君、滝夜叉丸と私はいつくるかわからないボールに構えておいてる具合だ私の場合顔面死守だけど。向こうのチームのうどんを抜いた二人も少し気の毒だ1人燃えあがるギンギンと使えない無駄にイケメン不運野郎に六年が当たっちゃって、見て、あの竹谷の七松からのサーブを恐るる顔。一体何があったんだよ昔に!鉢屋にいたっては雷蔵よけろおおおお!とか雷蔵がんばれえええと敵なのにトスを送ってるしよお前いいやつだな!でも敵チームで一番頑張ってる子はミキティー!流石アイドル学年汗かいてくたくたでもかわいい顔してる。ギンギンに無茶なボールを挙げられても全力で打ちに行って、いやそこはもう無理だろってボールも命令されれば全力でレシーブに向かうのだ。どんなにミキティーが頑張ったところでこちらのチームが優勢なんだがな。


「おおーと、名前選手大したこともせず、サーブで来るボールを避けているだけなのになぜかドヤ顔です一体何を考えていたのでしょーか!流石性悪女およそ勝を見越してほくそえんでいたのでしょう!」

「おい!くそ野郎!お前実況者だからって適当なこといってんじゃねーぞ!ほくそえんではないわ!ちょっと早く終わりそうラッキー!て思ったぐらいだわ!」

「おおーと余計に悪いことをいっております!これはもう死んで一度荒んだ心を清めるレベル!貴様偉そうなこと言ってないで尾浜の恨みのこもったボールを受け止めてみろ!いい年こいてきゃっきゃされても気色の悪いだけだ!」

「ちょっとあのリポーター個人的な意見いれすぎでしょ!最後の方なんかもろ!大体あのボール受けた瞬間私の腕折れるわ!」


チラッと尾浜を見ればなんてこった奴にサーブ権が与えられてるじゃねーか!今は24−20、4点差が一応あるから私がこのボールを取らなくてもいいけど早く終わらせるならレシーブするべきだ。しかし夕方の食器洗いをするためにはこの黄金の両腕を死守せねばならん!


「だいじょーぶですよー!てんにょさまー!俺、見た目通りやさしいですからー!」


爽やかな尾浜勘右衛門だ。その割にボールぎっちぎちに掴んでるけど!「受けてくださーねー」てそれつまりボールにあたれってことじゃねーか!「がんばれ名前!お前ならとれる!」とか「サーブはまかせろ!」もそもそと「上にあげてくれればトスは私がする」とかなんでもう受け取る前提なんだよ!お前らの後輩そんなにいい子じゃないから!あの子私のこと縄でびしばし叩いてきたり落とし穴におとしたり首絞めたり転ばして来たり罵倒浴びせてきたりするんだからね!好きな子いじめちゃうみたいなかわいいレベルじゃないから!めちゃくちゃ助走をつけるうどんゲス野郎に対してわたしは逃げ場を探す。なのにだ!な!の!に!


「おねーさーんがんばってくださーい!」

「此処でかっこいいとこみせてぎゃふんてイメージ挽回してください」

「フレ!フレ!名前さーん!」


何でお前らコートギリギリラインまで来てるんじゃああああ!天使達よおおおお危ないから下がりなさい!!主に私が危ないんだよ!きり丸、しんべえ、乱太郎ううう!!バシッっとボールを打つ音が聞こえ、もう避けるかしゃがむかなんて選択私にはなかった。そう、このボールに私があたらなければ後ろの子供達が怪我する!くそおおお!ドスっと鈍い音がわたしの頭からして、ああ、顔面じゃなくてよかった、おでこにあたってよかったともう笑うしかない。流石に立っていられなくて倒れたけどね!「おい!名前!!!」と七松君の慌てふためいた声を聞いて私の意識は途絶えた。



ーーー・・・目を覚ますと懐かしい何度もサボりに来るたび見た保健室の天井で、カーテンの向こうから友達の声がして先生も誰かに電話しているみたい。そういえば卒業式の練習で学校来てトイレに行って、それから?それから某子ども番組にトリップしていてもしかして夢!そうかあれは私があまりにも心のどこかで卒業したくないと思いすぎて気持ち若返りすぎて見ちゃった夢なんだ!だからほら、先生も階段から滑り落ちてーとか言ってるんだ!よかったリアルな夢過ぎて私しばらく純粋な気持ちであの番組見れないわとくにクソ野郎共とか。さて、みんなに心配掛けさせて申し訳ないからそろそろ起きよう。それにしても頭痛いなあ。どんな転び方したんだよ私。え、ほんとに気付いたらすごく痛い。これもう記憶飛ぶレベルで、やばい、眉間に皺よる。だいじょうぶ私の頭?これなんか刺さったりしてない?これちゃっとほんとに、「やばいんだけどおおおおおおおお!!」


「名前さああああああああんっ!」

「ぐえ、苦しい!そして痛っ!地味にオデコ痛っ!」

「名前さああああああんっ!生きでてよがっだあああああ!!」

「え、殺さないで!泣かないで!苦しい!幸せ天使に抱きしめられ「キモイわ!!!!」おい!今、頭狙うんじゃねぇえええ!」


なにこれ、何なの向うが夢落ちなの!そんなのってないよ!でも下級生達に抱きしめられて幸せだよ私!なにこれアイドルですか!今なら食満の気持ちがすごい分かる!立花の邪魔さえ入らなければ。大体頭部を損傷してぶっ倒れた人間の頭を殴るか普通?鬼畜すぎだろ!


「名前すまん!私がいながらお前に怪我を負わしてしまった!」

「いや、七松君が気にすることではないです自分の体がひ弱なだけで。それよりも勝負は?もしかして私の所為で中止になったとか」

「もそ....おまえがレシーブを..もそ...てくれたからトスをまわした」

「うん。もそって聞こえたりそうでもなかったからとりあえず理解した!ありがとうボールをつなげてくれて」

「勿論、お前の顔面にボールを与えた向うのチームには私のフルパワーを込めてイケドンアタックかましておいたぞ!私たちのチームの勝ちだ!!」

「お、おお。素直に喜んでいいのやら向うのチームご愁傷様」


心配して抱き付いてきてくれた乱太郎、しんべえ、きり丸の頭を撫でながら恐ろしい話を聞いてしまった。七松君、味方にいるとちょーかっけぇ!!それにしても保健室がずいぶん人で溢れかえってる気がするんだけどみんな私のお見舞いに来てくれたってわけでもなさそうなんだよね。


「て、なわけでそのイケドンアタックをもろにくらった尾浜は腹に直撃して気絶、その隣にいた伊作が跳ね返ったボールに頭をぶつけ気絶と言うわけで保健室の布団は一杯だ。その他はバレーでの怪我の治療に来てるため人があふれかえってる」

「え、それ尾浜君大丈夫なの?生きてるの?」

「貴様とは体のつくりが違う、案ずるな一日したら目覚めるだろう」


一日ってそれ、安心していいのか、おい。やっぱり忍者はわからん!バレーボールが本当の死闘になるとかお前らもうスポーツをそう気安くするのやめなさいお姉さんのお願い。





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