▼凍 え た 唇 を 削 ぎ 落 と せ

はーい。とうとうやってきました地獄のバレーターイム。やだもうお家帰りたいお父さんお母さん助けて私もうバレーボールに間違われた振りして頭にあの暴君のサーブ打ち込まれるんだよ。痛いじゃん。それすごく痛いじゃん!てか、メンバーなんだよ!嫌な奴ぞろいじゃねーか本気で殺しにかかってきやがったよ苦笑いだよもー。


「なんだ!今日は伊作もやる気まんまんだな!」

「当たり前だよ!名前を誘って僕を誘わないなんてひどいじゃないか小平太!」

「細かいことは気にするな!集まれたんだから結果オーライじゃないか!」

「まったく!僕がいなかったら誰が名前の怪我の治療するのさ」

「怪我する前提なんだわたし!できれば無傷がいいな!」


腕組んで凛々しく立ってる立花クソ野郎は当たり前だって顔してやがるうざっ。お前あれだろ審判だろ!誰が間違えてあいつの顔面にボールあてないかな。バシッとスラットした足で私の太ももを蹴ってきたクソ野郎ほんとなんなん「ちょいだだだだ!痛いんだけど何すんの」しかも3回連続地味な力加減で余計に痛いわ!


「チーム分けは私にまかせろ、この馬鹿女vs忍たまだ」

「おい、立花君バレーボールのルール知ってる?6対6でやるんだけど君が言ってるのはそれただのイジメなクソ野郎」

「たった今からサーブの練習にチェンジだ、的はこの面積の広い女で外した奴は私直々に仕置してやる」


つーかなんでお前らも地味にコート内はいってんだよ!それなりに大きな図体した奴らが集まってて暑苦しいわ!
大体さっきから穴が飽きそうな程見てくる鉢屋と尾浜は何故この場にいるの。誰が呼んだのまじで空気読めよ鉢屋と七松言ってたじゃーん私の怪我尾浜の多いねっていってたじゃーん。何で私が避けてるのに対面させるの?謝った意味に気づけなかったからそうなの?大体6年同室同士は暇なんですか誰一人欠けることなく集合できてすごいね!強制連行されたっぽいミキティとタッキーには同情するよまじでつか竹谷まじ涙目で居場所に困ってるじゃん。私、竹谷と話したことないんだよね、向こうもわたしを避けてるみたいだから関わろうとせず穏便に過ごそうと思ってるのによ!台無しだよ!きり丸も見物料取るために人集めて来ちゃうしさ、公開処刑ですかそうですか。もう明日の希望すら見えない夕御飯のメニューも思いつかないだめだと俯いてはははっと笑い地面を眺めていたら突然肩にごっつい手がのって誰かに引き寄せられた。


「名前は私と同じチームな!」


ごめん暴君、お前ちょーいいやつだ。殺されるとか思ってまじごめん。てか、皆驚いて目を見開いてるよ。わたしも開いた口が塞がんなくなったわ!


「なんだ?何か不満か?」

「いいや、まったくこれっぽっちも私はまだ生きていけるのね」


満面の笑になった七松君は私の肩をバシバシ叩きながら「ああ!生きろ!」と言ってくれたけど君の肩パンで私の肩外れそうだわ。尾浜勘右衛門が死んだ魚のような目で私を見てくるこれもう気に入らない奴ナンバーワンだよね私。もとからか。雷蔵君を見て、あの天使スマイルこんな私にでさえ「がんばりましょうね」って言ってくれるの見習ってようどん!うどんに似てるんだからもうちょっと消化よくなってよ!私君に会う度に胃もたれおこしてるわ!



「なんだ、お前いつの間に小平太に媚を売ってたんだこの前と言い」

「正直だよね立花氏。そんな君は嫌いじゃない」

「お前に好かれても気持ち悪いだけだやめろ。嫌ってくれて構わない」

「誰も好きとはいってねーよ。ちょっと七松君、一体全体此間からどうしたの」


立花クソ野郎素直すぎて憎めないよほんとに。こう正直に言ってくる奴は嫌いじゃない。嫌いなタイプはうどん。七松君はきょとんとしながら私の頭に手を置いて「なーに、私が気に入ったんだ。それだけだ!」と髪をわしゃわしゃしやがった。言われた立花もびっくりして、は?て顔してるよ。


「貴様ほんとうに小平太に何をした?」

「知らないよ!大体私は今日公開処刑される覚悟を決めてこれに強制参加しにきてんだよ!こっちが聞きたいわ!」


こそこそと暴君に聞こえないように立花と肩パン仕合ながら話すが結局七松が何を考えているのは分からず仕舞いだ。おまけに立花とじゃれあっているうちにじゃんけんかなんかでチーム決まってるし。私は強制的いけどんチームなんですね助かりました。


「名前と離れたー!留さん交換してよー!僕がブロックしてかっこいいとこ見せるから!」

「あほか!お前の場合顔面ブロックになるだろ!」


何も聞こえない食満君と伊作君の会話はスルーしよう。まず伊作君と離れて安心だ、不運て事を逆手にとって集中攻撃されかねない。うん。絶対に変わらないでくれよ9年目のプリンス。
敵方がやばいメンツすぎてコートに入りたくない。文次郎ギンギン言ってるし勘右衛門こっち睨んでるし三郎はなんか冷めた目してるし雷蔵君が心配してるだろうがボケ!竹谷もちょー困った顔してんじゃねーか元気なの伊作君とギンギンだけだよ!

まず私はコートの左端を選択。むしろここから動きたくない。ローテーションしよとか言ってる食満ハゲろ!


中在家氏がギンギンとのじゃんけんに負けて向うサーブからだが左端だぞ、左にはこないだろう、来ても私の前にいる小平太がまずブロックしてくれるだろうとか考えていたけど人生そんな甘くないよね。一番サーブうどんおもくそ私を狙ってサーブかましてきやがった。しかも七松がいなくなるようにフェイントまで加えて性格悪い!くそ野郎認定しました尾浜!もちろんよけたよね!あのままだったら顔面の危機を感じたもの!当の本人舌打ちしてるし!


「名前!ボールを避けたら試合にならんぞ!」


違う。七松も敵だった。唯一の味方はあんな速度の速いボール女の子向けるなんてひどいよ勘右衛門!とぷんぷん怒ってくれてる伊作君だけだ。あ、でも尾浜が手元くるっちゃって〜てへぺろにあ、そうなの、よくあるよね〜とか言ってるからただのバカなだけだ伊作君!



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