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名前はいつも笑っている。

こんな無表情で感情を出そうとしない自分の傍にいつも居てくれて微笑んでくれる。

犬とは違う存在。
骸様とは違う大切な人…

じゃあ一体彼女は何?

「千種―!!」

夕食の買い物帰り、いつも見たいに微笑んで俺の名前を呼ぶ名前。
その姿に自然と顔がほころぶ。

―…嬉しいの、か?

「偶然だね!千種も買い物?」

「…終わって帰る」

袋を名前の前に出す。

「千種は偉いね!犬とかは、来てないよね」

あたりを見渡す。
その姿がまるで自分には要がないと言われているようだった…

「来てないよ」

いつも異常に素っ気なくなってしまう態度。俺じゃだめなの?

「そっかぁ〜千種1人に任せるなんて!骸も犬もしょうがない奴だな〜」

むすっとした顔、だ。

「初めて見た…」

「え!?何を?」

「笑った顔以外の顔…」

「!!!」

いつも笑っているから、笑顔しか見た事なかったから…

「だ!だってあの2人が千種に我が儘押しつけてると思うと」

俺のため。それ、うぬぼれで受け取ってもいい?

「…ありがとう」

有難う。君がいつも俺にいろんなものをくれる事も合わせてありがとう。

「!!わ、笑った!」

え?そう言って恥ずかしがる名前。
その行動、言葉、表情が…

「「反則」」

そろった声。かよっていた思考…
名前とだからうれしい。

―――…

夕日が沈んだ帰り道、また明日会えるのに別れが空しいと感じたあの時俺にとって彼女は…

掛け替えない愛しい人、なんだなって気づいたんだ。

反則

(あ、ネギ買い忘れた)
(あれ!?千種どーしたの?)
(名前こそ…)
(人参買うの忘れた)
((……))


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