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雑誌やドラマの役者とかの男をかっこいいとか言うだろ?
あれは、外見だけじゃんか。
外見も中身も完璧とかそんな奴世の中数えるくらいしかいねぇし。
俺の見てきた中でそんな奴いなかったしな。
まず王子の俺よりかっこいい奴なんかいるわけねーし!

張り合うわけでもないが、暗殺部隊としてではなく普通に町を歩いてると沢山の女に話しかけられる。
逆ナンされるとか外出れば日常茶飯事だけど。
俺って就職に困んなくてラッキー。やっぱ王子だもんな。

「もし俺が人殺しだったらどーする?」

話し掛けてきた奴にそう訪ねると大抵は冗談だと思われ俺の見た目だけを見る。
時折、驚いて逃げ出す奴もいるけどそれが正解。

かっこよければ誰でもいい女なんかに王子が好きになるわけねーじゃん。

「あの」

きゃぴきゃぴした女をあしらっていたら、また新たに1人の女が話し掛けてきた。
めんどくせーてオーラ出してんの気づかねぇのかこのアマ!
だけどその女は別に俺に興味があったわけじゃねーらしぃ

「ハンカチ落としましたよ」

あーそいやぁ、カマが身嗜みだ何だの言ってポッケん中突っ込んできたんだけな…

案外こいつ使えんじゃね?
ハンカチを持った手を掴んで親しげに話しかけ女の群れの輪を抜け出す。
後ろからブーイングがきこえるが俺じゃねーし
俺に態々ハンカチを拾ったこの女は今日は運が悪かったて事で、
いきなり手を引かれて驚いていたが後ろから聞こえる罵声に苛立ちを感じているようでその場から少し離れ路地に入ると眉間にしわを寄せ掴んだ手を振りはらってきた。

「私を利用しないでください。」

そう言いながら一応此処までは黙ってついてきたし、今だハンカチを俺に突き付けるこいつはお人好しつーか、馬鹿なんじゃね?

「いらねーよ。そんな下に落ちたもん」

「は?」

「王子が地面に落ちたもん使うと思ってる?」

「思ってます」

即答とかムカつく。
第一ハンカチとかつかわねーし

「ん、じゃぁ、やるよ」

「…いらないんですけど」

「ししっ。なら捨てれば?」

「貰っときます」

ため息をついて腕時計を確認しているこいつは、一般人でただの女。
王子見てなんも反応しねーとかうぜっ

「なぁ、もし俺が人殺しだったらあんたどーする?」

「じゃあ聞くけど、もしあたしが警察だったらあなたはどーするの?」

質問を質問で返されるとは思ってもみなかった
外見などには目もくれず、目の前の答えだけを知ろうとしている。
ハンカチ何かで出会ったこいつになに聞いてんだ俺は…
それにこいつ俺に好意なんかなさげなのによ。

「質問に答える前に名前知りたい」

「王子様は女だったら誰でもいいのね。…名前」

「名前を聞いたのはお前だけ」

「残念ね、名前を聞く相手を間違えてるわよ」

冷たい笑みを浮かべ名前はハンカチをバックの中にしまった。
自分には何の関係もないてか…
まだ、俺を探す女の姿を見て嘲笑う名前に少し俺と同じ匂いを感じた
質問の答えも聞かずまま名前はまた時計を見て俺に背を向け「じゃあね」と早歩きで路地を抜けようとする。

「名前が警察なら、掴まってやってもいーぜ」

そう言うと、振り返って手錠を人差し指で回して見せた。
今度は悪戯な笑みで。

「ばっかじゃないの!精々逃げ回りなさい」

お前が俺を捕まえないなら俺がお前を捕まえて、中身で惚れさせてやるよ。
声にださずに宣戦布告したけども、王子はなんであいつに興味をもっちまったんだろーな
相性最悪じゃん

character

(次会う時は覚悟しといてね王子様)
(ししっ。お前もな!)




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