人気のない路地を家に帰ろうと歩いていたら突然黒服で綺麗な金髪にティアラをつけた王子のような人にお姫様だっこされ、何が起きているのかわけもわからずにいるとドサッとベットに降ろされた。 お城?のほんとうに王子様の部屋の様に思われる。 私が想像していた王子様は、はにかんだ顔に胸キュンして白馬に乗っているものだ。 目の前にいる人は確かにはにかんでいるが前髪で目が見えない…黒で包まれていて悪魔の様にも見える。 「ししっ。何処見てんだよ」 「え、あの…」 「怖い?」 怖いですよ。知らない王子がベットに押し倒してきたんですよ? 知っていたとしてもこの状況は色々と危ないじゃないか! 冷たい手が私の頬に触れた、私が震えている事に嬉しそうに笑う彼は王子よりやっぱり悪魔…すいません。変態にしか見えません。 「い、一体どちら様なのでしょ…か?」 「ん?知りたい?」 「はい。とても…」 「キスしてくれたら教えやってもいいぜ」 「いや、寧ろ名前も知らない方にそんな事できません」 「生意気」 首に顔を埋めてきたのでびっくりしてしまった。心臓ヤバい!生意気と言われても私は当たり前の事をいっただけなのに! 「ししっ。すげー真っ赤」 「あ、当たり前です!離してください!」 「かーわいい。」 「!!か、帰ります!」 「だーめ。王子の誘い断るとか何様?」 「王子!?さ、誘い!?」 あああああ!!頭混乱してきた!王子!?本当に王子だったんだ… どーしよーー!なにこれ、夜のお相手しないと国を追放されちゃうとかないよね? もしくは撃ち首?まともに恋もしないで、青春を謳歌できなかった私にこんな仕打ちないよ! 「ベル」 「…べ、る?」 「そう俺の名前はベルフェゴール」 「そんなっ」 不意に私の口を塞いだのは王子様の唇。 離れようとしたが流石王子!力が強すぎて敵わない。 段々と深いものになって、酸素を欲すると舌が入り込んでくる。 酸欠で限界だて時にやっと彼…ベルさんは止めてくれた。 深呼吸を何回かして彼を見るとだんだんとあの笑みが腹立ってきた。 「な、にしてんですかっ!」 「下手糞。名のってやったじゃん」 「死、死ぬかと思ったじゃないですか!」 「死なせねーし」 涙でてきましたよ。なんなんだよこの人!かっこいいじゃないか… 行動は王子と思えないけど! 「お前は俺のだから」 「いつからそんな、」 「王子がお前を好きになったから」 生まれて初めての告白でした こんな強引なものだとは知りませんでしたよ 何故か恐怖心はなくなっていました 最初のキス以外される事はなく、彼は私を抱きしめたまま寝てしまいました。 私の話なんて聞いてもらえないのだろうか… 「名前…」 私の名前を寝言で何度も呼ぶ王子に時めいてしまったけどまだこれがどんな感情なのかよくわからない。 全てが突然すぎた (ベルさんは何処で私を見つけたんですか?) (ずっと前に仕事帰りであの道を通った時) (…王子様も仕事してるんだ) (わりーかよ) |