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王子は姫を待っている。

何年たっても一生涯会えなくとも。

ずっとお前だけを…愛してる。

「名前。」

お前はずっと俺の姫。
お前こんなに王子に愛されて、幸せじゃん。

だから、もう安心して寝ろ。

泣くな。
俺まで哀しくなるジャン。

任務で汚したはずの床にお前の血もまざる。
止まれ。止まってくれ。

「ベル…もう会えないな、んて、やだよぉ」

解った。わかったよ、

「見つけるから。」

「見つけられないよっ」

「ぜーたい!見つけるし」

「…約束だよ?」

冷たい手が、俺の手を握り返す。

「王子嘘とか言わないし。」

ああ、お前はどこに隠れるのかな?
せめて人間であればな。
また、同じところで会えるかな?


名前が瞼を閉じた時、かくれんぼは始まる。

冷たく、動くことのない名前を背負い。

屋敷に戻る。

これが、この世界へ生きる者の末路なのだろうか?

「任務・…失敗だな」

王子が失敗とか…
ありえねーし!

まだ、終わってない
終わってないんだ

生まれ変わったお前を連れてボスに報告するまでが…

任務なんだ。



(俺が鬼か、)
(10数えるうちに)
(生きかえれし。)


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