log | ナノ



お願いだから僕の為に泣かないで。
名前を困らせたくないんだ。
僕は名前と居られればそれ以上何も望まないから


「その怪我誰にやられたの?」

「転んだんだ」

「嘘。服が破かれてる」

「・・・。」

「黙んないでよ!」

僕の破けた上着を握りしめ、名前は唇を噛み締めて目に涙を溜めている。
言えるわけないじゃないか

虐められて殴られて蹴られて、そんな事されたなんて言えない。

君は僕が言わなくても分かってるんだと思う。なのに僕にこうして問うのはなんでだろう?

「何で毎日毎日怪我が増えるの!?」

「それは、」

「どうして毎回黙るのよ!?」

「言う事もない…」

「!そ、だけ…どっ」

悔しいて、別にそんな思いをさせたいんじゃないんだ

名前は何も知らないでいい。

人を傷つければ傷つけるほど人は力をもとめてしまうものだから…
最初は善意のためだとしてもその意志はすぐに揺らいでしまうんだ。

僕を殴った奴を名前が殴ったとして、それで終わるの?
また次が次に続いて永遠ループだ。
君が強さを求めるようになってしまうのが怖いんだよ。

「見てられないよ!」

「知ってどうするの?」

「そりゃ…」

「同じ事をするの?」

「そんなこと」

「じゃあ、聞いてどうする?」

名前を責めるつもりはないんだ。
これ以上僕を追い詰めないでくれないか…

お願いだから、見なかったことにしてよ。




(愛情というものは、)
(時に人を傷つける。)


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -