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暗い部屋、沈黙の時間、
そこには俺とお前が一緒に居る。

最後の時間…

「愛してた、」

愛していた、ただ、俺は、
そう答えることしかできない

「嘘つき、スクアーロも最初からワタシを愛してなどいなかったでしょ」

お前はそう言って、嘲笑う、
そう、お前も俺も結局、偽りの愛で騙し続けていたんだ。

内通者のお前から情報を聞き出すためにお前を愛した俺。

ファミリーに情報を流すために俺を愛した名前。

そんな騙し合いの時間も終わる。

「俺は、」

俺は、お前を殺したくない…
そう、思うのは可笑しい事のなのだろうか?
何故こんなにも、迷う必要があるのだろうか?

「スクアーロ…」

俺の名を呼んで、
自分の愛銃を俺に持たせ、
自分の心臓部に当てるお前。

「ヴォオイッ!名前…」

重なる手、それは弾きがねへ続く…

「私の負け、これ以上は…」

これ以上は情報の漏れの危険がある、そう言いたいのだろうか?

「お前ぇ…」

微笑む名前。
その微笑みは偽りのモノではない。
今まで、見たことはなかった、笑み。

「ねぇ。スクアーロ…」

「なんだぁ?」

「貴方は、私を愛してた?」

震えている手。掠れた声。
微かに香名前の匂い…


「愛…してた、」

「嘘つき。」

その言葉と同時に、響いた銃声。

お前の頬から流れ落ちる、雫。

…嘘つき、か。

なら、なにが本当なんだぁ?
今も震える俺の手、
後悔で渦巻く心。
この、切ない思い、
これを、愛と言わないで、

何と言う?

「馬鹿野郎ぉ…」

最後まで、嘘をついていたのはお前じゃねーかぁ!!
俺はお前を殺せなかった、お前を切り裂く事はできなかった。
お前の血で汚れることが怖かった…

あのひきがねを弾いたのは、
俺か、お前か、

嘘つき

(嘘でもよかった)
(ただ、愛してると)
(行って欲しかったぜ)


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