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「わりぃ。疲れた」

「なに、それ」

こんな感じに俺は一ヶ月付き合った女と別れた。言葉の通りすげぇ疲れた。十代目と話しているのに割って入ったり、無駄に彼女面してうぜぇし、変な時に呼び出すわで、めんどくさかった。
十代目も分かって下さったらしく深くその事に触れる事はなかったが山本は別れた事にしつこく聞いてきた。あいつはほんとに馬鹿だ。気付けよ。

次の日、何故かクラスの男子から憐みの眼で見られ、女子からは敵視された。意味がわかんねぇ。俺が何した!?
十代目から聞くと昨日フッた女子が俺に酷い振られ方をしたと広めたらしい。酷いって…そんなにひどかったか!?つーか、なにがひでぇのかわかんねぇ!

こんな事なら少し可愛いからって付き合わなければよかったぜ!まぁ、本気だったしなぁ。ちくしょー

十代目達と屋上で弁当を食ってたら名前がやってきた。

「獄寺よ。」

「あ?名前もアイツ側か」

「私はどっちでもいいよ」

「じゃ、なんだよ。文句言いに来たのか?」

「いつから付き合ってたの?」

「一ヶ月前…それがなんだよ」

「…知らなかった。おめでとう。そしてお疲れ様」

名前は同じマンションて事で知り合った。今では数少ない友人の一人だ。別にダチなんかいらねぇがな。やれやれとした顔をして名前は俺の隣に腰かけて自分の弁当も広げ始めた。

「酷いフリ方だったらしいじゃない」

「俺は傷つかないように言ったつもりだ」

十代目達は何故か驚いていた。俺は変な事を言っただろうか?あぁ、こいつの前だと何故か恥ずかしい事も言えちゃうからか?素直に物事を喋るってーのは恥ずかしいからな。

「獄寺君にも優しい言い方てあるんだね」

「俺はどうせひでぇ事ズバっと言ったのかと思ってたぜ」

十代目そりゃないですよ!俺だって女には優しくしますよ。一応恋人だったんですしね?
山本どーゆう意味だオイっ!俺だって言っちまいたかったが泣かれると面倒だと思って言葉を選んだんだよ!

「疲れる…て、言ったんでしょ?」

「あぁ。」

「ひど!」「どこが優しいんだ?」

優しくないか?俺的には充分優しいと思うんだが…
なら、他に好きな奴ができたとかか?それはそれで後がめんどいからな。

「私が彼女だっためっちゃ傷つくね」

「お前だったらこんな事言わねぇよ」

「喜んでいいのか?あれ?嬉しがっていい?」

「喜んどけ」

「でも、あーやって言うんだったら好きな人が出来たって言った方がよかったんじゃない?」

「…そうか?」

あー!何で俺がこんな悩むんだよ!こんな事になんなら絶対もう彼女なんてつくんねぇーよ!柄にもなく彼女作ったのが悪かったんだ。
こんなのごめんだぜ!

言葉の裏に隠された優しさ

私は知ってるよ。

「疲れた」それはね、あの子に疲れたんじゃなくて恋をしてる自分に疲れたって事なんだよね。

十代目と話してるのに割って入る=あの子とツナが話してる事に獄寺が嫉妬して入る

無駄に彼女面=獄寺は不良に絡まれるから彼女であるとあの子が広める度に何かされるんじゃないかと、不安だった

変な時に呼び出す=あの子と仲良くお話する男子を絞めてる時に止められる


この一ヶ月間、獄寺の話は例えを使った恋愛話ばかり。
私が気付かないとでも思ったの?


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