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世の中青春だとか、ロマンだとうるさいもんだ。
俺はちなにみそんなのにはまったく興味はない。寧ろうざいと思う。なくていいだろそんなの!

例えばだ、席替えでたまたま可愛い女子と隣になり教科書を忘れたりして見せあいっこしたり、普段まじめな奴の授業中寝ている所を見てどきっなーんてものも俺には存在しない。

「獄寺くん。君がちゃんと授業受けてくれないと先生の眼に私が留まるわけだよ。そしたら寝ている私は怒られちゃうでしょ」

「うっぜぇ」

「いけめんの癖に中身腐ってるよね」

「ん、だとぉ!!」

最初は今まで一言も話した事ない名前に期待を膨らませていた。
大人しい女子なのか、仲良くなるのか、どんな奴が好みなんだろう…とか、何だこれ、今思うとめちゃくちゃ恥ずかしいじゃねーか!
十代目も最近青春を謳歌し始めているし、山本も何だかんだで色恋をしているからもしかして自分は2人に置いて行かれているんじゃないかと不安になっていたからこんな残念な結果になっちまったんだろうか?

「山本君に彼女できたんだって」

「それがなんだよ」

「うらやましい…」

「?お前山本の事が好きだったのか?」

胸の奥でモヤモヤした何かが生まれたが名前が「寿司食べ放題じゃん」と言ったらそれはすぐなくなった。気のせいか…

「沢田君に彼女できたんだって」

「ほんとかっ!?」

「嘘だよーん」

「死ね」

「死なない。そして全力で焦った獄寺君に全力で引きました」

驚くに決まってんだろーがっ!十代目に相応しい女じゃなきゃ俺はみとめねー!どんなに可愛くても、ブリブリのスカート短くした糞うぜぇ女子とかは断固反対だ。やっぱ純粋で無知そうな奴があうだろうな。うん。

「私に彼氏ができましたー」

「…よかったじゃねーか」

「あら?ちなみに冗談ではありません」

「おめでとう、物好きもいたもんだな」

「しょぼーん」

「ほんとうぜぇなっ!何へこんでんだよ!」

またモヤモヤとしたものが胸の中に現れた。またすぐ消えんだろ…。だが、消えなかった。どうやら隣のクラスのサッカー部らしい。今日は一緒に帰るんだとか、これで教科書忘れても見せてもらわなくて大丈夫、勉強も教えてくれるっていうから頭よくなっちゃうなーとかノロケを聞かせられた…
イライラするぜ。どうしてこう、俺の周りにはカップルが増えていくんだ?前の隣の奴もそうだった、その前は前の席の奴、いや、まぁ、そいつ等は特に話す事もなかったし興味すらなかったけどよ
黒い何かが渦巻く、誰でもいいから殴りてぇ
十代目に嫌われたくはないからそんな事しねぇが…
あぁ、そうか雛が巣立つ感じか。結構空しいもんだなー
放課後いつも通り十代目達と帰っていると名前が楽しそうに噂の彼氏と帰っているのを見かけた。
眼はあったがお互い何も言わず通りすぎる、言うとしても何を言えばいいんだか…

どいつこもこいつも幸せになりやがって!十代目以外誰も応援何かしねーかんな!
つーか、俺、実は恋のキューピットだったりすんのかもしんねー

隣の恋人繋ぎに殺意

(私ね、ちょっとだけ獄寺君に)
(嫉妬してもらいたかったの)


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