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彼は私にいいました。

「ミルフィーオーレとの戦いが終わるまでしばらくは会えません。」

私は「わかった」と彼にいいました。

そしたら、骸は「必ず迎えに来ます、だから待っていて下さい」そう言って抱きしめてくれました。

だから、私は迎えを待つことにしました。
いつかまた、平穏な日々が来ることを信じて私は骸を待ちました。

日本のボンゴレ基地でずっとずっと待っていました。

リボーンが10年前の世界から来た時もツナ達が10年前の世界から来た時も。
雲雀が並森に戻ってきた時もいつか骸もこんな風に戻ってくると信じて…


待っていた。

黒曜ヘルシーランドにリングの反応があると聞いた時にはどれほど嬉しかった事か…

それでも、やっぱり骸じゃなくて…
クロームが意識を一度戻した時に骸の話を私にしようとしたけど…
私はその場から立ち去ることしかできなくて聞けなかった。

聞きたくなかった。

クロームからじゃない骸本人に聞きたかった。
ビアンキさんに「大丈夫?待っているのはとても辛い事でしょう…」と言われた。

「大丈夫です」私はうまく言えただろうか?

心配をかけてしまった…
きっと私はうまく笑えてなかった。
汚い嫉妬とどこかで生まれた憎しみが今この瞬間に現れたのだろう…

どうして私に逢いに来てはくれないのだろう?
何でクロームなんだろう?
どうしてクロームを通して話すの?

逢いに来ればいいじゃない。

私の横で眠る彼女は今も彼と精神世界であっているのかな?
意識を取り戻さないクロームを看病しようとして居るのだけれど…

見ていられない、見たくない。
それでも、この子に悪い所は一つもない。

そう、思いたい。

目を覚ました時のクロームの表情は「同情」としか見えなかった。

悔しい、悲しい、痛い。
あの、憐みの目、それだけは許せなかった。

まるで、「貴女は置いて行かれたのよ」て言われているようで…

また、意識を取り戻したら私は彼が戻ってくるまでずっとクロームに遠慮をされてしまうのだろうか…

いっその事、笑ってほしい。
でも、クロームはそんな子じゃないから。
悪意がない事を分かっているから…

こうして、私はこの子の傍にいるんだ。

あぁ、いつ戻ってくるのかな―…

しばらくして、お兄さんがヴァリアーから戻ってきてミルフィーオーレの殴りこみについて聞いた。

5日後、クロームの容態は大丈夫だろうか?

全然栄養を取っていないし…
点滴で保っているのもいい状況ではない…

みんなの修行をチラホラ見て役に立てない自分を恥じた。
ツナも今は神経がピリピリしている。

重大なことだ…当り前か。
不安になってクロームの様子を見に行けば…

血を吐き出すクロームがいて、とりあえず輸血をしようとするがビアンキさんに止められて内臓を指さされる。

「…な、いっ」

ガターンと持っていた医療器具がすべて落ちて。
今まで隠れていた不安の影は消えて目の前で起きている光景が骸に繋がるのだと考えると震えが止まらなかった。
ツナが来て、ひばりが来て、ビアンキさんに手を引かれみんながいる部屋まで行く。

嘘つき、嘘つき。

迎えに来るって言ったじゃない。

どうして私はあの時に骸を引き留めなかったのだろう…

どうして、待っていたんだろう。

私こそ迎えにいけばよかったのに…


「大丈夫?」

その言葉で我に帰れば皆の目線は私だ。大丈夫?何がだろう?

「大丈夫だよ」

「・・・」

ああ、誰か私に泣き方を教えてください。
声を出して泣く泣き方を…泣けない、笑えない。
クロームは助かったって…

よかったね。でも、笑えないや。

ほら、皆が哀しい顔。

笑わないと。


でも、今は泣きたいな。
どうやって泣くの?
あの、雫は何で私には流れないの?

ねぇ、聞いてよ。

私ね、すっごく殺してしまいたい人ができたよ。
でもね、それはただの逆恨みでしかならないんだ…

骸が一番傷つく行為なんだ・・

私はどうやって今の感情を表せばいいのかな?
貴方に会えない時間の所為で私はすべて忘れてしまったよ。

おいてけぼり

(早く、早く)
(逢いに来て)



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