log | ナノ



山本くん、山本くん。私はずっと傍に居るからね。だから早く目を覚ましてね。あのね、見てるの辛いの。病院の匂いとね、山本君に繋がってる沢山の管を見たくないの。でもね、もし眼が覚めても山本君はすぐにツナ達を追いかけて行っちゃうんだろうね。それで私にまた心配掛けるんでしょ?「ごめんな」て言って大きな手で私の頭を豪快に撫でて申し訳なさそうな顔するんだよね。いつも思うけどその顔はずるいよ。

突然ね、白い頭のニコニコした人が部屋に入ってきて私を部屋から追い出したの。それから「ほんとにずっと付きっきりなんだね」て私を笑ったのよ?酷くない?当り前じゃない。確か…そうそう、白蘭て言ってたな。嫌味な人だったけどその人ね、山本君の部屋を出る時に山本君とは違うヒョロイ大きな手で同じように頭を撫でてくれてね、「仲間は守れる癖して一番大切な人はまったく守れてないんだよね」と言ったの。
それってどーゆう意味だったんだろう?とりあえずね、悪い人じゃないんだなて思った。

白蘭が出ていってしばらくして山本君は眼が覚めたんだよ。いつものように笑顔でそして頭を撫でてくれたよね。ほんとに嬉しかった。病院の先生に知らせてくるね!て部屋を出ていって先生を連れてきたらもう、部屋からいなくなっててショックだったなぁ。不謹慎な事言うけど、こんなんだったら寝ててもらった方がよかったよ。そしたらずっとずっと傍に居て私が危ない事何かさせないのに。でもね、私は元気な山本君も好きだから。仲間思いで、誰よりも頑固で、優しくて、馬鹿な山本君が大好きなんだよ。

病院の庭も探して、並盛中もツナの家も、山本君の家も行ってみたけど山本君は見つからなかった。探して、探して、足が痛くなった。並盛に居るはずないか…そうだよね、きっとツナ達が居る場所にいるんだ。また、そうやって私の気持ちも考えないで。せめて、「行ってくる」くらい言ってよ。

「あぁ、そうか…」

白蘭が言ったことはこの事なのか。仲間は守りに行くのに、私の心がボロボロに傷ついても助けには来てくれないのか。いつも、そうだよね。守るなんて口だけで、守りに来てくれた事なんかなかったね。

ちょっとは察しろ

(辛いんだなんて、)
(絶対口に出したりなんか)
(できないんだけどね。)


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -