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学校が終わって名前と一緒に帰るのが当たり前になっていた。
告白してきてくれたのは向こう
ずっと前から好きで声を掛けられなかった俺は凄くうれしくて即返事を返した。
公園に寄りたいと名前が言ったから俺は久しぶりに、と何かに期待して寄った。

「ごめんね。思ってたのと違った」

そう言って頭を下げた。
好きな女に振られるてすげぇ辛いな
俺は今まで女の子の告白を断っていたけど、向こうはこんぐらい傷ついたんだろうな。

「思ってた…のとって?」

俺は名前にどう思われていたんだ?
それって、酷くね?勝手にお前が俺の理想を作っといてそれと違ったから、さよならバイバイ?

「山本君…本当に誰にでも優しくて、一生懸命で、かっこよかった」

駄目な所とかなくね?それじゃあ、なんで?
申し訳なさそうに話さなくていいからちゃんとした理由を言ってくれよ!


「…でも、いつも見て見ぬ振りしてる」


声震えていた。眼に涙をためて、それでもちゃんと俺と向きあってくれる名前。
ほかの子は俺なんか見てない、俺自身を見てない。
野球部とか、人柄がどーだとか、顔、そんなの本当の俺かわからねーよ。
性格だって変えられる、我慢していることだって沢山あるし、野球だってやりたくないときだってあるけど、仕方なく出てる時だってあるんだぜ?

見て見ぬふり?俺んな事してたか?
名前が辛いんだったら俺何時でも助けにいくからな
それなのに何か見てなかった?
別れる理由がそれ?意味解んねー
自分で聞いといて、いざ、言われると本当にそれが自分なのかわからない。

「わからないだろうね」

「!いや、ごめん」

「…謝らないで」

彼女は鞄から一枚の封筒を出して、両手で持って差し出した。
その仕草さえも可愛いのな。
名前から何かを貰えることが嬉しくてついつい顔が綻びそうになってしまう。

「私の友達が山本君にだって」

「名前…の友達が?」

「うん。山本君の事が好きだから」

「は?俺には名前が」

帰ろうとする名前の腕を掴んだら「いい加減してよ!」と振りほどかれた。
初めて怒鳴られた、怒った顔を初めて見た。
赤い頬、眼の下が少し腫れていて、それを俺は全部寝不足なんだ、寒いからなと解釈していた。
だけどそれは、昨日一晩泣いてたから、頬が赤いのは今もまだ泣きそうだからなんだよな。


「私の友達に彼女居る?て聞かれて、いない。て答えたのは山本君でしょ!」


涙を流して彼女は俺に背を向け走って行ってしまった。
後を追いかける資格など俺にはないよな…
如何言えば誤解がとける?いや、解けないかもしれない。

名前が自分の友達に俺と付き合ってるて言ってないんだから俺が言ったらだめだと思った。
でもちゃんと答えたんだぜ?
『好きな人はいる』て、だけど俺は名前が俺の口から言うのを期待していた事を知っていたのな。

心はもはや穴だらけ

(思っていたのと違う、か)
(俺もこんな終わりを
(考えてなんかいなかった)


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