いつも、笑顔で、 いつも、優しい。 いつも、幸せそうで、 いつも、楽しそう。 だから、僕はそんな君を壊してしまいたい。 「おはようございます。」 少々怯えながらも僕に挨拶をする名前は、草食動物と変わりないはずなのに愛らしい。 後は、「ごめんなさい。」とか「すいません。」て、謝られたことしかないや。 恐がってる癖に笑うんだ。 誰にでも向ける笑顔を僕にも向ける。 他人と同類にされるのは不愉快だ こんな風に扱われたのは始めてだ。 君も僕を怖がればいいんだ、 近づかなければいいんだ。 避ければいいんだ。 嫌えばいいんだ。 そうすれば、僕のこのモヤモヤは取れるだろうか? 風紀委員の仕事をしていれば、「お疲れ様です」と、言ってきて…群れを咬み殺していれば「無理しないで下さいね」と、心配してきて… うるさい。うるさいんだ。 余計な御世話だ。 君がそんな事思ってないのだってわかってる。 飾る君はそうでなくてはいけない。 自分を作り上げてきた君は優しくなくてはいけない。 わかってるからこそ、腹が立つ。 その、飾りを全て外して、塗り固められた理想の君を壊して本当の姿を見たい。 本当の君はそんな笑ったりしないんじゃないのかな? 優しさなんて振り撒かないのかもしれない。 幸せなんて憎む人間なのかもしれない。 楽しさなんて失ってしまっているのかもしれない。 想像するだけで、ゾクゾクするよ。 いつもの、名前ではない、違う君。 とても、興味がある。 早く見たいな… 群れを咬み殺していたら丁度君にあった。 また、彼女は「無理しないで」と言った。 そう言った名前に僕はトンファーを振りかざした。 でも、降り降ろせなかった。 振り降ろしたら、そしたら… 僕にもう話しかけないかな? 笑わないかな? 心配しないかな? きっと、僕を全否定するだろうな。 僕の日常から君はいなくなるかな? 君は震えていた。 でも、何事もなかったように笑おうとしている。 眼は怯えている。 それでも、笑おうとしている。 「ど、どうしたんですか?」 震えた声で僕に話しかける。 見たくない。 そんな君を、見たくない。 軽くトンファーを振りかざせば、 体制を崩して地面に倒れた。 足が震えて立っていられなかったしい。 立ち上がれない君は僕をただただ、下から見つめる。 今も笑ってる。 無理して笑ってる。 笑う必要なんかないのに・・・普通に怖がればいいんだ。 「ひ、ばり…さん?」 もう、辞めろよ。 気がついたら、 僕はしゃがみ込んで君を抱きしめていた。 「笑はなくていいっ。名前は名前のままでいいから、飾った君を見せないで」 こんな事いうつもりはなかった。 君にこんな姿をみせるつもりはなかった。 抱きしめていたはずなのに、いつのまにか抱きしめられていた。 負けられないと思い君より強く抱きしめた。 大丈夫だよ。僕は僕だから。これは、僕の本心だから。 小さい君は僕の腕の中にすっぽり入って顔をあげない。 好きなだけ、泣いて。 今度顔を上げた時は本心での微笑みを見せて。 それまで、僕は何度も君を抱きしめるから。 君がわらった日 雲雀さん…女の子は誰しも好きな子には可愛いて思われたいんだよ。 優しい子て思われたいんだよ。でも、私がしてきたことは無駄見たい。 何だか少し悔しくて、涙が止まらなかったよ。 |