「もう一度、笑って。」 君は僕にそう言った。 「笑ったことなんかないよ」 て言い返すと「嘘つき」て君が笑った。 「泣かないで、」 「笑って、」 「忘れて、」 「もう、嫌いなの。」 ベットに横たわって、 手で顔を隠して、 袖を濡らして君は 何度僕に告げたろう。 動くことのできない体。 日々やつれていく名前。 ねぇどうやったら笑えるんだい? こんな状況で、 やつれていく君を見て 笑えるはずないじゃないか。 ―逢わなければ、 出会わなければ、 そんな事いわないでよ。 僕は君に会えてよかった。 君を愛せてよかった。 君と笑えてよかった。 そう思っていたはずなのに、、 冷たい、 動かない、 此処に居るはずなのに、 いない名前を見ると・・・。 逢わなければ、 僕は、 こんな思いせずに すんだのにと、 弱さを知ずに要られたのに、命の重さを知らずにいられたのに別れなどこなかったのに、一人が嫌だと思わなかったのに、 君を失って。 僕は自分が一番嫌いな、弱者になりさがってしまった。 本当は違う、 違うんだ、 本当は、 「ごめんっ。」 もう、此処に居ない君の手を握り、握り返してくれることを希望とし最後の別れとお礼を言うんだ。 笑ってあげられなくてごめんね。 君をちゃんと愛してあげられなくてごめんね。 僕なんか君を好きになってごめん。 僕じゃなければもっと君は辛いしなかったよね。 仕事仕事で構えなかったし、 傍にいれる時間もそんななかった、 寂しかったよね、苦しかっただろ? なのに、 送り出せなくてごめん。 僕に笑顔をありがとう。 愛してくれありがとう。 こんな僕の傍に居てくれてありがとう。 愛を教えてくれてありがとう。 君に会えて僕は―‐― 本当によかった。 ありがとう。 (きっと、もう) (誰も愛すことは) (ないと思った。) (何だか安心してる) |