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「恭弥」

「・・・何?」

「わかれよ。」


そう言って、私は貴方から離れました。
なのに涙が止まりません。 
自分から別れを言ったのに、この涙は止まりません。

お願いです。 
そんな顔しないで下さい。

いつも見たいに平然と睨んで、無表情のままで居て下さい。

ズルいです。こんな時だけそんな悲しい顔をするのはずるいです。

どうして?
どうして貴方は私が好きなんですか?

「なんで?」

そんな質問ずるいです。
だって貴方が私から離れるから
どこかへ行ってしまうから。
待っているのが嫌だから…

涙で濡れた私の頬に震えた貴方の手が重なる。


「名前本気なの?」

嘘だと言ってどうなるんですか?

私も解らないんですよ?
だって貴方を愛してるから。

別れたくないです。

でも、別れないといけない・・・

貴方に私はいらないから

貴方の進む道に私はいらないから


いえ、臆病な私はいられないから。

「ごめんね。恭弥ぁ・・っ」

嫌いになって。
こんな私を嫌いになって。

愛さないで、お願い

だから、そんな風に優しく抱きしめないで。

「名前っ…」

世界を旅する貴方と、この空間でしか生きようとしない私。

抱く力は段々強くなる。

まるで、離れない様にするかのように・・

微かに濡れた感覚のある肩。

そうして、耳にあたる貴方の弱った悲しい声。

「・・・っ・・。」

泣いてるの?
肩が冷たいよ、初めて貴方に必要とされた瞬間、それは別れの時。

泣かないで。

顔は見えないけれど、きっと今、私たちは同じことを考えているのでしょう?

離れないで

(いやだ、もう)
((離したくない))


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