今日は、雨だった。 最近では全然降らなかったのに、雨だった… 天気も、君も、僕の思い通りにはいかない。 世界を手にしようと言うのに、それさえも変えられない。 だから僕はどんな手を使ってでもすべてを手に入れようと思った。 そしたら、 天気も世界も人もすべて僕のモノになった。 なのに、君は手に入らない。 僕を見て、おびえるんだ。 僕の事を全否定するんだ。 「いい加減僕のものになってよ♪」 「嫌です。私はモノではありません。」 何度も何度も問いかけても、 君から支えをうばっても、 君の大切な人達を奪っても、 君の居場所を奪っても、 君は僕を否定し、 愛そうとはしてくれない。 ずっと、傍にいるのに、 こんなにも愛してるのに・・・ 伝わらない。 届かない。 一体どうすればいいのだろうか? どうすれば君は僕をみてくれるのだろうか? 考えて、考えたけど、思いつかない… だから、僕は聞きに言ったんだ。 本人に、、 君が好きな空が見える部屋。 まっ白い部屋、 君からしたらこの部屋は牢獄なのかもしれないね。 その部屋の窓辺に寄りかかり外を眺める君は、出会った時とあまり変わらない。 変わった事は、笑わなくなったんだ。 ただ、、それだけだよ。 君は一瞬僕を見るとまた、外を見る。 「どうしたら、君は僕のものになってくれる?」 君から奪うものがなくなった僕は、 どうすればいい? 「……。」 君はゆっくり立ち上がり、僕の元へ近づく。 そうして、笑った。 僕の手を握り君は言った。 「奪うものなんて 最初からありはしない」 君は笑った。 声をあげて、笑った。 君の手はとても冷たかった。 「貴方は消してくれた、私からいらないもの全てを!」 消した、消した、僕はけした。 君がいらないもの全てを。 僕がしてきたことは、何の意味もなかった? 手に入らない、どうしても、、、、 それは、僕が君のモノになっていたから・・・・ 笑っていた彼女は、床に崩れ、泣いていた。 泣いて、泣いて、泣いていた。 「世界も、空も、人も、すべて消えてしまえばいい。」 そう言って、泣いていた。 笑ってたのに、泣いていた。 「そしたら、貴方は私だけのモノで、私は貴方だけのモノになれるのにっ!!」 君の鳴き声が響いた部屋。 君の全てを知った時。 僕はただ、泣いている君を抱きしめることしかできなかった。 甘く囁く死神 (君の事しか見てないつもりだったのにな) (嘘つき。白蘭はいつも外ばかり見ていたよ) (だって君は、いつも外にいるから) (ずっとずっと中に居たよ、、) |