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眼を覚ますと女の子らしい
ピンクに包まれた部屋に立
っていた。ピンクの水玉の
カーテンに白い机、そして
ピンクの布団に寝ている人
その部屋の主だとすぐ分か
る可愛らしい女の人だった。
何故、僕はこんなとこに居る
んでしょう?今は何時で此
処は一体どこだ?フランが
見せている幻術ですかね。
しかしこれは幻術ではない
ようだ。そうだとしたら僕
が破れない筈がない。
どうしたものかと困り果て
ていたら寝ていた女の人が
眼を覚まして、僕を見なか
った事にしてまた寝始めた
。この僕を居ない存在にす
るなんていい度胸してます
ね。クフフ。悪夢でも見せ
て僕の怖さを叩きつけてや
りましょうか!力を使おう
としたら彼女はバッと布団
から起き上がり僕を上目づ
かいで直視してきた。中々
可愛い。大きなうるんだ瞳で
僕を見るこの女は無言でじ
ーっと見てきた。この沈黙
はなんなんだ。普通は知ら
ない男が眼をさまして部屋
に居たら驚くとか、叫ぶと
か、逃げだすでしょう?い
や、叫ばれると迷惑ですね
。押さえつけて黙らせるっ
てーのもいいんですけどね
。あ、いいかもしれない。
僕に口を塞がれて涙目で助
けを求める姿とかたまりま
せんね。よし、今から叫び
なさい。しかし彼女は叫ぶ
のではなく話しかけてきた。

「金目のものなんてないですよ」

「…叫びなさい」

「変わった人ですね」

「貴女に言われたくないですね」

「いや、髪型のほうです」

「短い命でしたね」

「あらあら、気にしてたん
ですか。すいません」

「謝られてる気がしないんですが」

三叉槍を出そうとしたが出
せなかった。ついでに彼女
の傍に寄ろうとしたら机に
足をぶつけたのにまったく
痛みを感じない。これは夢
か。めずらしく僕も深い眠
りについてしまったようだ
。…じゃあ、彼女はまさか
僕の理想の女性になるんで
すか!顔はいいんですけど
ね。此処までピンクが好き
で女性がタイプだったとは
好みを変えないとなりませ
んね。溜息をついた僕に
彼女は「私を忘れられるわ
けないよ」と勝ち誇った顔
をしていた。確かにもう遅
いと思った。まさか僕が惚
れるとは…いやな夢ですね

(夢の中の女を好きになった)
(現実での君を探さなければ)

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