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寂しさを紛らわすために私を利用するなと怒った事があったけど結局また利用されてしまった。白い頭の癖にと言うのは嫌味な意味で言ったんだが僕の心の色が髪にまで出ているんだと嘘を吐きだしやがる。何が心の色だ。お前の心の色は黒だ黒。
世界征服を考えるやつの心の色が白だったら正義の味方は何色なんだボケ。

「名前ちゃんの心の色は水色だね♪」

水色?好きな色じゃないからちょっと不服だった。第一どうせ色を言うならもうちょっと可愛らしいピンクとかでいいじゃんかよ。そんなんだから沢田綱吉に負けるんだからね。そんなんだから、簡単に自分を失っちゃうのよ。

突然だった。突然、白蘭はボンゴレに連れていかれた。彼女である私に何も教えてくれないなんてひどい奴だと呆れたが訳を知って見損なった。捕まるのは当たり前だとか自分の中で白蘭に会えない事を言い聞かせていた。白蘭には力があってそれでパラレルワールドで世界征服をしていて一杯の人を殺していたんだ本当に馬鹿だ。馬鹿。もっと違う事に使おうとか思えなかったのかあいつは。頭良い癖いに考えることが中2どまりなのかまったく。それなのにどのパラレルワールドでも白蘭を止める私を自分の部屋に監禁していたってあんたは素敵な馬鹿。殺しちゃえばよかったじゃない。そしたら私もこうやって白蘭に会いにこようとか思わなかったんだからね。ボンゴレを説得するの大変だったのよ!

「せっかく会いにきたってーのに何よその態度」

ぼけーっとまるでそこには魂を入れる器があるだけ。部屋もそこそこ大きいし住むのに不便はないんだろうな。あ、足枷がついていなければ。私も此処で住んでいいんだってよ。喜びなさいよ!私も白蘭の所為で監視生活するんだからね。ソファーの上で天井何か見て楽しいの?私を見ろっつーの。

「ねえ、今どこにいるの?」

ボンゴレって酷いのね。会わせてほしい時には会わせてくれなかったのにこんな風に白蘭が白蘭でなくなったら人任せにするなんて。私だって戻し方何かしらないわよ。抱きしめたって抱きしめかえしてくれない。私が泣いたら「名前ちゃんを泣かせたやつ殺しちゃうかも」って笑って慰めてくれるのに私を見ているその瞳に私は写ってさえもいない。きっと別の世界で沢田綱吉を倒したんでしょ。そしたら白蘭のことだから「無」になっちゃったんだろう。その世界の私は何してるのよ!

「やっぱ百蘭は黒だっ」

私じゃ貴方を戻せないの?助けてあげる事はできない?私は傍に居ていい?何を考えているのか分からない白蘭の髪にそっと触れた。答えてくれなきゃこの髪の毛黒に染めちゃうよ?それでもいいの?

「キミは水色だ、ね」

驚いて目を見開いてしまった。喋ったよこの抜けがらみたいな白蘭が。それであの時見たいに水色だって…。も、どったの?だけど期待はすぐに薄れて白蘭は無表情のまま私を床に押し倒して上に乗りかかり白く細い手で首をしめてきた。指が食い込んで凄い苦しいよ。

「とても悲しそうだ。ボクが終わらせてあげる。その悲しみからボクが解放してあげるよ」

「ふ、ざけん、なっ」

誰が私をこんなに悲しくさせてると思ってんだ自己中野郎。おかしいのは性格だけにしとけよ。頭もイかれてるとか笑えないからな。酸素欲しさに暴れるがやっぱり男なだけに凄い力が強い。ボンゴレの監視はなにやってんだよ!役立たずじゃん。

「おかしいね。トゥリ二セッテを手に入れキミも生きている世界で世界征服を果たしたボクは幸せだったのにキミが戦いに巻き込まれて死んだ世界で綱吉君を倒し全てを手に入れたらなんかもうどうでもよくなっちゃったんだ」

だからなんだってーのよ。私がいなきゃダメっていいたいの?それなのになんで殺そうとするのよ。それに私よりも白蘭の方がよっぽど悲しい眼をしてるじゃない。

「キミがボクの全てだった見たい。キミがいなきゃ何を手に入れてもまったく満足しないし楽しくもないんだよ。ボクはねキミにそうやって悲しい顔で見られると凄く苦しくなるんだ」

ぐっと指に力がさらにこめられた。あ、駄目だこれ。段々と体に力がはいらなくなってきた。好きな人に殺されるとか私凄い悲劇のヒロインじゃんか。
こんな事ならこんな奴ほっときゃよかったー。失敗したなあ。ほんと私って良い人なんだからもー。

「ボクの手でキミを消せばこの苦しいのもなくなるかな?」

しるかそんな事。こっちが苦しいわ現状的なものでは!あんたは心でしょ。私は呼吸も心もどっちも苦しいっつーの。あー、涙出てきたよこれ。もうわけわかんない。誰かこいつの頭を鈍器見たいなもので殴っちゃってよ頭おかしいって。私がどうせなら殴りたいな。

急に強く締めていた手を離して今度は抱きついてきた白蘭。私はとりあえず必死に咳をして酸素を吸い込む。指で涙を拭ってきたり頭をなでたりと忙しいやつだなこいつは。

「ボクがキミを泣かせちゃったね」

自分を嘲笑うように彼はそう言って私に助けを求めてきた。助けといっても何かをしてほしいとかじゃなくて私を殺そうとした自分は一体誰なのかを教えてほしいんだろう。それは紛れもなく白蘭なんだけど私が愛していた白蘭でないのは確かだ。

「殺しちゃだめだよ」

自分をね。百蘭ならやりそうだからさ。
私を抱きしめたまま、またどこかの世界へ行ってしまった白蘭。戻ってきてよ。殻だけ残すって最低だよ。私は白蘭の子守をしに来たわけじゃないんだからね!ほら、またそうやって私を利用してさ。まったく世話のかかる彼氏だこと。



(しょうがないから許してあげる)
(だから、殺そうとしてもいいから)
(もう一度喋ってよ)


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