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一体何を求めているのでしょうか。私は君から助けられたいのか、それとも優しい言葉をいいつづけて欲しいのか、ただ傍にいるだけでいいのか。ツナさんは私に全部やってくれているからたぶん違うと思うんだけどやっぱり私は何がしたいのかな?何を求めるわけでもないのに自分を好きだと言ってくれる人に抱かれてさ。これって浮気だよね。隣でぐっすりと眠る浮気相手の髪を撫でて私はホテルを後にした。夜の暗さに街灯の明かりはよく映える。彼と出会った公園の噴水前につくとツナさんに電話をかけた。今の時間は丁度書類を終わらせて私のいない寝室に向かおうとした時くらいかな。

3回くらい電話のコールがなって眠そうな声のツナさんが出た。

「もしもしツナさん?仕事おつかれさま」

ツナさんは返事を返してはくれなかった。びっくりして声が出ないのかな?

「私ね昨日から屋敷に帰ってないの」

『…なにやってるの名前。今、何処にいる?』

「でも、気づいてくれなかったんだね。私のいないベットは広くて寝やすかった?私がいないから荷物が減って仕事もしやすかったでしょ?私がいなくて女の人との商談もうまくいった?私もねツナさんがいなくても平気だったよ」

『ごめん。いないの気づけなくて。噴水の音がするってことは外にいるんだろ?風邪ひかないうちに戻っておいで。話しは帰ってからしよう』

「ツナさん。私ね、私を愛してるって、私がいるんだったら何もいらないって人に抱かれたの。凄く優しくてね痛くなかった。ツナさんの時はね、なにもかも早すぎて痛かったし終わった後に涙が止まらなかったんだ」

『名前はボンゴレの婚約者で俺の恋人なの分かってる?下手な行動はしちゃだめだよ。その話しも後で聞くから。暗いし迎えに行くよ。何処にいるの?』

「ツナさんは何しても怒らない。私の傍にいる。危険があったら逸早く助けに来てくれる。そんなのやめてよ!私はボンゴレ]世じゃなくてただの沢田綱吉に愛されたいの!形だけの婚約者が欲しいなら他を当たってよ」

涙は止まらなくて私は別に泣きながら話したかったんじゃないのに自然と出てくる。とまれ、とまって、ツナさんに弱いところを見せたくない。

『名前、俺はこんな事したって婚約は解消しないから。愛してるって言ったのに嘘はないし誰にもお前を渡したくない』

始めて聞いたツナさんの怒りを交えた声。そこから動くなと命令されて電話を切られた。

地位や名誉の為に私はツナさんに選ばれた。だけど彼は地位や名誉を捨ててまでも私と一緒に居たいと言ってくれたの。最低限の必需品が入った鞄を握りしめ薄暗い街中へと駆け込む。ツナさんに見つけられないように。彼が不幸にならないように私は走り出す。

やっとわかった私が求めていたもの。ツナさんに心から愛されたかったんだ。1人の女として愛されたかったんだよ。

「俺から逃げられるとでも思ってたの?」

涙を袖で拭い突然目の前に現れたツナさんを見つめた。髪をボサボサにして暗闇で見れないとでも思って拭かなかった涙が月の光で綺麗に光っている。息切れをしていつも冷静なツナさんがどこか慌てているような気がした。
逃げても無駄だと思い殴られるのを覚悟したが強く優しく抱き締められた。その優しさは私が利用価値のある人間だから?それともほんとうに私を愛して大切だと思っているからなの?

「お前が俺を嫌いなのは分かってるから。だから何したっていい。だけど、絶対に俺の元へ帰ってきてよっ」

ちがう。ちがうのツナさん!私はツナさんが好きなの。ただ、愛されたくて、私を責めてよツナさん。お前が悪いんだろって、物として大切にするんじゃなくて私とゆう人間をみて。

夢と暗闇と戦慄を

(名前に嫌われているのは知っていた)
(だからこれ以上嫌われないように全て笑って許したんだ)
(君が俺の傍にいてくれるだけで俺は嬉しかったんだよ)


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