わたしの両親は凄い人だった。父さんは四代目火影で母さんは九尾の人柱力でも、そう過去の人である。何故ならもうこの世にはいないから。私の目の前で二人は生んだばかりの弟、それから里を守るために死んだのだ。その時わたしも弟を九尾の爪から守って死ぬはずだった。だけど母さんと父さんによって止められた。私に恋をし、結婚して人並みの女性の幸せを送り孫を生んでくれと言った彼らは妊娠中封印が弱くなるのを危惧し人柱力に弟を選んだ。当時5歳だった私には言ってることの重要さがわからなかったけどね。「ナルトを頼んだ」その言葉だけが頭の中にめぐって、私がナルトを守らなきゃ、何がなんでもナルトを生かす、それしか考えつかなかった。アカデミーを卒業してそしたらナルトがアカデミーに入学して化け物だなんだと言われ始めた時は腸が煮えくり返る思いだった。もういっそ、里を抜けてしまおうかまで考えたがナルトは私がいるからだいじょうぶといった。火影になって私を守るといってくれたそこらへんからわたしの考えはまた変わってきた両親に頼まれたからではなくナルトの夢を叶えてあげるためにこの子が成長するまで守る事になった。結果的守ることには変わらないけど大きく変わったのはどのようにしてかだ。暗部に入って人中力を狙おうとするやからを片っ端から排除していった同期のうちはイタチとはよく弟について語り合った。中々話の合うやつで私の中で友達に値した。


「名前は弟が里からああ言われていてこの里を嫌いにならないのか?」

「ん、嫌いにきまってる。勘違いはやめて、私は里のために忍びをやってるんじゃない弟を守るためだよ。そして弟がこの里の火影になりたいっていったからこの里が無くならないように人事をつくしてるだけ」


こんなに堂々と木の葉を貶すのもイタチの前だけだ。こーゆうシリアスな話をするとイタチはいつもわたしの頭を撫でるのだ。きっとこいつにも抱えているものがあるのにわたしの心配なんかして馬鹿優しいやつだ。


「名前まったく家に帰ってないみたいじゃないか。お前の弟はお前が傍にいてくれればそれでいいといってくれたんだといってたじゃないか」

「帰ってるには帰ってるんだが深夜になっちゃって寝顔しか見れてないんだよね。最近人中力を狙う他国の攻めがやまないんだ。嫌われるかもしれないけど私はあの子が無事でいてくれるならそれでいい」

「名前....」

「イタチが悲しんでくれている私はそれだけで幸せ者さ。ほんとに優しいやつだねイタチ」

「俺はお前と同じことをしているから何も言えない」

「じゃあ私とイタチは愛されたい人に嫌われる者どうしだね」

「俺はまだ嫌われてない」

「あは。ごめんごめん、それじゃあもしもそうなった時、私があなたを愛していることは忘れないで」

「お前に愛されても嬉しくない」

「はっきり言うね。でもさ、誰か一人でも自分を案じてくれている人がいるというのは心強いものだよ」

「そうか」


素直じゃないやつめ、ツーマンセルで今日は早く仕事が終わったからアカデミーまで弟を迎える道を2人で歩く。うちはの事情はよく知っている。私はナルトを守るためにダンゾウにだって目を光らせているのだから当然だろう。イタチと争いたくはないが九尾を使って内乱を起こそうと言うのならイタチの家族でも許すまじ。アカデミーの校門前までくれば私達は赤の他人のふりをする(わたしだけ)。イタチは私のことを弟のサスケ君にベラベラ話したらしくナルトと抱き合う私を凄い形相で見てくるが知らんぷりだ。 お姉ちゃん今日もナルトを襲おうとした敵を打ちのめしたよ。でもね、ごめんねナルトだけに向けてる愛情、私の唯一の友達にもこの先向けるかもしれない。


「イタチ私に黙って根に移動した気分はどうよ」

「めずらしいなナルト以外の事でも怒るなんて」

「ん、友達がいなくなってさびしかったんだもの。誰に弟の話を聞いてもらえばいいの!」

「後半が本音だろう。俺以外に話相手を作れそうだカカシさんがお前のことを気にかけていた」

「あの人、私に暗部を辞めろと遠まわしにいってくるから二人きりになりたくないし話したくない」

「じゃあ、任務ばかりつめてないで家に帰ってやれもう我が家のように暗部に居座ってると聞いたお前の家はあそこじゃないだろ」

「今日はずいぶん説教してくるね」

「....すまない。そうゆうつもりでは」

「謝らないでよイタチの愛情だってわかってる」

「愛情か.....」

「イタチが優しい人だって私が誰よりも知ってる。何故かね、私はこんなにも自分の為に生きているのに私の周りには自分を蔑ろにする優しい奴ばかり」

「俺にはお前が真っ直ぐなくらい純粋に家族思いで優しいと思う」

「ん、でも私は私が生きて欲しいと思った人以外のためには戦わない命もはらない」

「俺とお前は本当に似ている」


ああ、これでお別れなのねイタチ。今まで何度だってそう思ったけどお互い言わなかった言葉を口に出しちゃって私が気づかないとでも思ったのかねこの男は。ぽんぽんとわたしの頭を撫でて横を通り過ぎようとしたイタチの手首をチャクラを込めて振りどかれないように掴んだ。少し驚いていた彼はすぐに「どうした?」と何時もどおりの表情に戻った。だけど私の掴んだ腕を振りほどこうと力を入れている。


「私は貴方を愛す、世界が貴方を敵だとみなしても私は貴方の友達だから、その、次会う時も弟の話を聞いてね」


何を言いたかったのか自分でもわからない。がイタチにはどうやら通じたらしい。すっとチャクラを解けばあっさりイタチの手は重力によって下がった。気恥ずかしくなってその場を早々に去ろうとしたら今度はイタチが私の腕を掴んできた。手首とか手じゃない腕だ。二の腕の肉を掴まれているようで正直気分はよくないがイタチが哀愁を込めて微笑むから何も言えなくなった。ドキッとしたじゃないか。


「俺もどんな状況下でどんな立場になろうとお前を慕っている」


これがイタチと交わした最後の言葉になった。次の日イタチはサスケ君を抜いてうちは一族を全員皆殺しにし里を抜けた。三代目は私とイタチの仲を知ってかサスケ君が入院している間の護衛を任務づけてきた、いやはや彼は超元気で入院初日病室抜け出してうちは一族の区域までいっちゃうからたいへん大変。サスケ君はイタチの思惑通り憎しみをもちもっとも自分を愛してくれている人を嫌いになった。ああ、なんて悲しい事でしょう。なーんて、人のことを言っていたら私もナルトに嫌われていた。ナルトの情報はバッチリ掴んでる!ミズキなんちゃっていうアカデミーの先生に卒業のことでそそのかされ巻物盗んじゃうなんて流石わたしの弟!すごい!ナルトから巻物を取り返せとかあーだこーだ抜かす三代目を睨んでナルトを殺せとかいいやがった上忍共を半殺しにして止めをさそうとしたらイルカ先生に制された。やだもう、ナルトがお世話になってるから許すけど次邪魔したら記憶飛ばすよ?イルカ先生はそんな私にこういいやがった。貴女はナルトを捨てたんじゃないんですかと。ん、なわけあるかどうして私が愛してやまない弟を捨てるのだ他里や国内からの危険因子を摘んでたら忙しくてちょっと会えなくなっちゃっただけだわい!
イルカ先生曰くどこの誰が言ったかしらないが私は化け物の弟が嫌になって捨てた最低な姉になっていた。私ではミズキを殺してしまうため回収のみを命じてきた三代目を恨んだがナルトに会えたからいいや。けどあんな殺気を込めた目でみてくることないじゃないか酷いひどい。


「お前なんか姉弟でもなんでもねぇてばよ!大嫌いだ!」


ああ、そうさ嫌いで構わないさ。ナルトは火影になって里のみんなに認めてもらって好きな子と結ばれて幸せになりなさい。ごめんね、ナルト。私はナルトを生かす事はできてもね、ずっと一緒にはいられないから孤独から救ってくれた人達を愛してそして守りなさい。


貴方の分まで不幸になりたい


ナルトに威嚇されながらミズキを回収してそれを宥めるイルカ先生。イルカ先生には私のしている事はナルトには秘密でと伝えてある、だけど優しい彼のことだ憎しみに燃えるナルトを救おうと言ってしまうかもね。でもね、イルカ先生、私の弟は馬鹿だからきっとそんな事実を知ったら自分を責めて落ち込んでしまうよ。だからお願い黙ってて。





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