もしも私が運動神経が抜群で頭もよくて品があってかわいくて華奢だったなら赤司君に堂々と話しかけることができただろうな。赤司君は凄い人でなんでもできて、なんでもできるのに仲間を作って一緒に目標に向かういい人。なんでもできる赤司君は一人で生きていけるんだと思う。でも不思議なことになんでもできる赤司君には人が集まる。例えば彼を尊敬する人とか彼を頼る人とか私のように彼に惚れてしまった人とか。赤司君はいい人だからそれを拒まない。告白とかは凄い断ってるような気がするけど、しつこくつきまとう子には仕方なしにお付き合いしている。期間は一週間とか二週間とかだけど赤司君はいい人だからその短期間でも真剣にお付き合いして彼氏でいてくれるのだ。私はその一時でも彼女に慣れた子たちがうらやましい反面、赤司君を困らせてまで付き合いたいのか?と疑問に思ったりもする。もし、私が赤司君に告白して振られて、その場で泣いて赤司君、赤司君とあの子のように名前を呼んだら一瞬でも彼の彼女になれるのだろうか。いや、無理だ。まず断られた瞬間にメンタルが崩壊して私は方針状態になってしまうかもしれない。ほんとうに私はダメダメだな。こんなんじゃ赤司君に話しかける資格すらないや。彼を不快にさせるだけだ。だから私は彼の目に入らないように生きるのに必死だった。


「君は賢い子だ」


そんな、まさか、馬鹿な。赤司君の視界に入りましてや大層なお言葉まで頂いてしまった。鯉のように口をパクパクと開くも声はでてこない。あれ?なんていえばいいのかな?いや、彼は返事をもとめていない。同じ高校生なのになんでこんなに纏うオーラが違うのか不思議でしょうがない。


「いや、もう一人のオレみたいだ」


すいません、赤司君の言っている意味がわかりません。イケメンてこんな不思議な事をいってもかっこよく見えるから凄いなあ。赤司君は一人でなんでもできちゃうのかと思ってたけどあれか、もう一人の赤司君がいて二人だからなんでもできちゃうのか。え、何言ってんの。私と似てる?赤司君が?風邪?熱?いやでも聞くなんて失礼だよね、ここはそっと心配した素振りを見せて....どうすんのよわたし!そんなことできないよ!どーして、体育館にスマフォ忘れたりしたかなほんとに。しかも、その私のスマフォを赤司君がもってるとかこんな嬉しいことあるのか。人生の半分の運を使い果たしちまったよおお。おどおどした姿なんて見せたら嫌われると思い必死に姿勢良く立って赤司君を見つめた。赤司君の目怖いよ瞬きひとつしないでみてきてるなんか審査されてるきぶんだ。あ、目の下に隈があるし良く見ればやつれてないか?怖いけど、なんだか何かにとりつかれてるみたい。


「あの、赤司君がバスケ好きなのは知ってるし分かってます。バスケに一生懸命だし勝ちって文字しか赤司君の頭にはないと思います。だから私は赤司君に勝たせてもらいます」

「君はバスケでオレに勝てると思っているのか?」


ニヤッと私を嘲笑った赤司君は最高にかっこよかった。だけどやばい、雑魚がどうあがいたって赤司君に勝てるわけないじゃないかスポーツなんていったら尚更無理だ。


「バスケでは勝てないです、第一初心者の私と勝負して勝ってもそれは勝ちと言えるんですか?」

「..... 苗字名前 さんだよね?君がまさか此処までオレにはっきりものを言う子だとは思わなかった」

「初対面でこんなこと生意気に言ってごめんなさい、嫌いになられてもかまわなくはないけど赤司君疲れてる見たいだったから」

「....いや、頭のいい子は嫌いじゃない。それよりも君に興味が湧いたよ。疲れて見えるオレに勝負を挑んだ訳を聞かせてくれないか」

「勉強でも、将棋でも、囲碁でもオセロでもいいから私が勝てば赤司君の抱えたものが背負えるんじゃないかなって....そんな感じです」

「まず、オレに勝てると思ったその自信はどこからきたんだか」

「私なかなかボードゲームが強いのでいけるかなーって」


ははっ。私絶対変な子だっておもわれたよ。なかったことにできないかな。黙り込んでしまった赤司君は未だ私にスマフォ返してくれないし。大体なんでもパーフェクトにこなしちゃう赤司君に勝つとかわたしができるわけないじゃん!ボードゲーム強いとかはったりだから!運でいけないかなって思っただけだから!断って赤司君!オレは忙しいって言って!


「名前さん明日楽しみにしているよ、まず手始めにオセロでもやろうか」

「は、はい(明日からかよ)」

「ボクは負けない」

「はい、私も負けません」


やっとスマフォを返してもらって昼休み約束を取り付けられたけど逃げ出したい気持ちでいっぱいだ。そういえば赤司君って自分の事ボクって言うんだっけ?


広い宇宙の狂おしき

(やったー!赤司君に勝ったー!)
(ボクもびっくりだよ)
(徹夜でオンラインひらいてオセロやりまくってよかった)
(そこまでしてボクに勝ちたかったのか?)
(えへへ。赤司君の隣に立てた気分)
(君はほんとに不思議だね)




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