「もうこないでって言ったじゃない」 「なんだよ部屋散らかしたのまだ怒ってんのか?」 「ちがうわよ、いいから出てって」 お願いよジュダル。そう真剣に付け足せば彼は心底傷ついた顔をした。きっとここでまた彼を甘やかせば部屋に来るようになるそれだけは避けなければならない。 「なんだよ!なんなんだよいきなり!」 「ちょっと魔法は無しよ!部屋を壊さないで!」 「じゃあ俺に分かるようにちゃんと説明しろよ!」 しまった、ジュダルは癇癪を起こすやつだった。机を隔て距離をとっているがこの距離がゼロになるのにそうかからないだろう。だけどそうなったら私がジュダルを傷つけてまでハッキリ言った意味がなくなる。大体、紅炎の側近である私の部屋に今までジュダルが訪れていた事自体がおかしいんだ。今更やめろと私に脅しをかけてくるなら彼を説得してほしいものだ。それか最初から言ってもらえればジュダルがこんな私に執着することもなかったろうに。あの頃の私は政略結婚だなんだと突然言われ無理矢理ここに連れてこられたあげくにデカイぶっちょうずらのこけしにあれやこれやと抱かれ煌帝国くそこわい恐怖ってなってるは傷心モードだったんだ。たまたま枯れかけた花を見つけ魔法で水撒きしているところを神官のジュダルに見られ「勝負しろ!」と笑顔で言われ拒否権なしにどんどん攻撃されるは私はもう実家に帰りたいホームシックをこいつにぶつけるしかないと思いガチの魔法対決になり仲良しになった。なんだろうかあの喧嘩がジュダルの心を開く何かになったのかな。そんなこんなで私に懐いたジュダルはそらもう不法侵入やら器物破損やらをくりかえしてきた。神官を蔑ろにもできなしい私もなんだかんだとジュダルと話していて楽しかったんだけどそれをよく思わないやつもいるわけでして。 「何で黙るんだよ!もしかしてアル・サーメンのやつらがお前になんかいったのか?」 「いやまあ、それもあるけど」 「そんなん前からだろ!気にするな!」 「前から言われてたのかよ!少しは聞く耳持ってあげなさいよ!」 「ん?」 言えるわけがないじゃないか私は庭でジュダルがあのこけしと兄弟のように戯れているのを見てしまったのだから。ジュダルがあんな楽しそうに笑っていたしどこか尊敬のような兄を慕う様だった。そんなこけしが私とジュダルに嫉妬して夜の営みを過激にしてくるとか言えるかボケ!!最初は嫌われているんだと思っていた。なんかやけに睨まれてるし初夜からまるでシフトのようにちまちま訪れていたのだがそのうち側室の私に正室並に貢物や部屋を訪れたりしてきたのだ。これはもう仕事だとこの人は思ってないと勘づいた。こけし!!私に惚れてる!!それがまた怖くてジュダルが一緒に寝ようぜ!(やらしい意味じゃなくて)と言う日などは喜んで泊めていたら次の日がやばいなんのプレイ?て感じで両手を縛られ散々中だしされた後「このまま繋がってしまえばお前とずっといられるな」とかもう怖いよやだよ痛いよ!それプラス上からの脅しだからね!耐えられるか!わたしの心身がもたんわ!そんなわけで友達にそんなこと言えるわけないだろ!さっしろくそ!いっそのことこけしとの子ができてしまえばいいんだ!そしたらあいつも大人しくなるだろ。アル・サーメンも子孫残せば満足するだろうしさ!でも、できない。なぜだあまり言いたくないがあんなにヤリまくってるのに。こけしの精子と私の卵子相性悪いんじゃね? 「おい!俺が納得いくように説明しろ!」 「わわわわわわわたしは紅炎様の側室なの!!ジュダルがこう毎回部屋に訪れてたりしたら誤解されるでしょ!わたしここここうえん様に愛されたいの!」 「おい!わかりやすい嘘ついてんじゃねーよ!お前こけしまじ怖いあのヒゲとかない萎えるって言ってたじゃねーか!」 「うわ!ばか!やめろくそ!ジュダルばかだからすぐ忘れると思ったのに!」 なんでわかってくれないのよ!ジュダル身長高いし壁ドンされてる状況になるしこれ見られたらほんとにやばくないわたし? 「俺はお前と会えないなんてやだぞ」 「でも、わたしは」 「なら俺とのガキができちゃえばいいんじゃね?」 「は?」 こいつに誰がそんなこと教えたの?誰なの?私がもうこないでって言った日からなんかもやもやして俺だって考えたってどーしてそうなった。 「名前好きだ。俺、好きだの愛だのよくわかんなかったけど紅覇のやつがなによりも大事でそいつに命を懸けられる気持ちだって言ってた」 「そしてこうなったと」 「俺、お前と会えなくなるくらいだったらどんなやつとも戦うぜ?負けねぇし」 「いや勝ち負けじゃなくて」 「なんかお前が好きなんだって気づいたらすげぇ紅炎が憎くなってきて殺したくなった!」 笑顔で言うことじゃないだろそれ!こけしあんた結構存在薄いみたい!これもしかしてわたし取り合われてるの?まったく嬉しくない組み合わせに?ジュダル もまさか私に惚れてたのか!なんだろ私魅力あるのかな?うふふ。ビッチじゃねーかこのままこいつを受け入れたら! 「俺がお前を幸せにしてやる」 私の幸せを決めるのは貴方じゃない 泥沼劇なんですけど。笑えないですよほんとに。あの場逃げました。あのムキムキジュダルからよく逃げられたなって?そりゃもうベロチューされるなっておもった瞬間に頭突きかまして逃げ出したわ。逃げてる最中に紅炎と遭遇して何があったと詰め寄らるし、ジュダルに追いつかれて「こいつは俺のだ!」て言う台詞から修羅場的になるしこれ私が誰かに殺されるとおもい最終的、どす黒い笑みを浮かべた玉艶様に匿われました。まあ、あと一週間ぐらいは無事でいられると思います。堕天とかあーだらいってるけどわたし常に困難なんでたぶん誰ののぞむよーにはならないよーん。 |