矛盾だらけでも生きてる

はたけカカシは「木ノ葉隠れ」きっての天才であり、父さんが生きている間は護衛や私の子守をよくしてくれていた兄のような存在だった。火影になった父さんの脅迫に使おうと私は何度も誘拐をされその度に暗部服に身を包んだカカシに助けられた。別に本人が顔を出したり名乗った訳じゃないがカカシの動きの癖や体格、変態とは言わないでほしいが微かに香る匂いを覚えてしまったからだ。出会った当初から冷静沈着で絶対にマスクをとってはくれないし、口を開けば説教だったりお前には無理だとかミナト先生の娘なのにとか下に見るような言葉ばかりだったなあ。それなのに傷の手当が優しかったり冷たい言葉には私を守るためだったりで嫌いになれなかった。父さんのマネをして忍術の練習をしていたらカカシに忍者なんか目指してないでとっと家に帰って寝てろって言われたとチクったら「ん!かおる、カカシは不器用なんだよ。どんなに遠ざけても側に寄るかおるへの接し方がまだ分からないのかもね」と父さんは少し目を細めて淋しそうな顔をした。知ってるよ父さん、カカシが不器用な人なのは。だってなんだかんだいいながらね家まで送り届けてくれるもの。父さんと母さんが任務でいない夜は別に私は寂しくないのに気づいたら一緒のベッドで寝てたりね、私を助けるために敵を殺してくれたのに私が自分を恐れていると勝手に勘違いして距離を置いてきたりするの。ぶっきらぼうなのは私に嫌われて私を失った時の悲しさを減らすためかな?なーんて、父さんにいったら正解だったのか頭を撫でられた。私は居なくなったりしないのにね。私が死んで誰かが悲しむのなら私はその人より後に死ぬんだもの。そう決めたのだ。ナルトが生まれる前はね。


「木の葉の暗部だぁあああ!!」
「俺たちゃただ雇われてただけだ!!」
「おいこいつら全員影分身だぞ!!」
「嘘だろ!?この数がか!?」
「何で木の葉の暗部が俺たちを!?」


何でだって?そりゃあんた達が雇われていたとしてもナルトを狙ったからさ。三代目もちゃんと確認しないんだからまったくナルトはまだ下忍になって日も浅いんだからDランク任務を与えていればいいのに。私がたまたま任務帰還途中にあの道を通ったからナルトの血に気づけたもののこの残党どもをどうするつもりだったんだか...
そのまま進路を里からナルトの居場所に変え追いついて見ればカカシから木登り練習を与えられてナルトがボロボロになってるしお姉ちゃん帰るのやめて波の国について探っちゃったじゃない。任務の手助けは忍びとして成長にならないと思い橋での交戦もハラハラしながら観覧させていただいた。正直サスケがやられた時には冷や汗かいたねイタチに無理やり押し付けられた約束だとしても破るつもりはなかったから。九尾のチャクラをナルトが引き出して戦闘が始まった隙にサスケに近づけば綺麗に急所を避けて針が刺さっている...あいつ戦闘意欲が感じられないと思っていたらだいぶ優しい子だったみたい。ナルトを助けてくれたお礼にとある程度の治療をし今度はカカシ達の戦いを観戦した。あのカカシが殺られることもなく怪我だらけだけど戦いは勝利。後から来たガトーはザブザが殺り、雇われていた抜け忍達はナルトやカカシの多重影分身にびびって逃げていったのは好都合だ。あのまま戦闘になるようだったら私はナルトの前に姉としてでなく殺戮者として現れなくてはならなかった。
私はねナルトの為なら命をはれるの。ナルトが火影になるまでは死にたくないけれどあんたはこれから沢山戦って生死を彷徨うかもしれないその時私は自分の命と交換で迷いなく蘇生忍者を行うだろう。私はね父さんと母さんが亡くなった時のあの悲しみを自分の死によって誰かに味合わせたくない。だから私を姉弟だと思わなくていい、誰も仲間だと言って繋がらなくていいの。


「サスケの傷が治療されてるからもしやとは思っていたけど普通1人であの人数を狩りにいくか?」

「私なら行く」

「で、そんな一杯怪我したと。そりゃ任務外の事をした上にその傷じゃあ謹慎処分をくらっても仕方ないでショ」

「元話と言えば三代目がナルトにあんな危険な任務を与えたのが悪い」


そりゃまあ、私も人間だあんな大人数の抜け忍相手に無傷で済むとは思っていない。里を抜けた実力があるだけに強いやつも居たが私がナルトに向ける愛に比べれば弱い弱い。最後の1人を倒した時にはもう出血が多すぎて意識が朦朧としていた。せめてこの場から離れようと波の国で滞在していた宿まで舜身の術を使い飛んで意識は途絶えた。あまりにも部屋からでてこない私を心配してくれた宿主が布団で爆睡している私を見つけ手当てをしてくれた。勿論、暗部服は脱いで置いたから暗部だとはバレてないだろう。九尾のチャクラで止血はすぐにできたが体力とチャクラを回復するのに一晩寝て波の国をナルト達より早く出発した。


「で、謹慎処分の私を連れ出してまでどんな上手い飯を奢ってくれるの?」




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