誰にも愛されないと思っていた

里をバケ狐から守った英雄だと父さんは里の皆んなに賞賛されている。じゃあ、ナルトはなんだ。ナルトはその身を挺して今も戦っているのに何故それを理解しない。この里は黒い歴史を書き換えあまつさえその犠牲を見て見ぬ振りをし生きるのだ。


「今、ナルトを殺るといったやつは誰だ」


アカデミー卒業試験に落選したナルトが、初代火影千手柱間の禁術の巻物である封印の書を盗んだと言う知らせを三代目から聞き捜索部隊が集まっているところに駆けつければ「どのみちろくなやつじゃねーんだ見つけ次第殺るぞ」という怒号。勿論わたしは飛び込んでいった。数人が地面に倒れ泡を吹いている。


「かおる!!お前、なんでここに!?」

「ん?わたしがいたらまずいのか?三代目から通達が来て早々に任務を終わらせ舜身の術を使って里に戻ってきたのさ」


私が任務後により疲労で大した力はないと判断した馬鹿どもは強気になり始め各々が武器を私に向けてきた。


「仲間に手を出したらどうなるか分かっているんだろうなかおる?いくら英雄の娘だと言っても許されねーぞ。だが、今すぐ地べたに手をついて謝るならなかったことにして「おい」っ!」


喋っていた男の首に綺麗な回し蹴りをかまし暗部が所有する刀を構える。


「それはこっちの台詞だ。私の愛する弟を殺すだと?そんなやつが仲間?頭を下げるのはお前らの方だ今なら聞かなかったことにしてやる、これから先も家族や仲間と仲良しこよししたいのなら簡単な選択だろう?」


男のプライドってやつなのかビビってはいるものの中々頭を下げてこない奴らに痺れを切らした私は少量のチャクラと少しの力で死んでもらうことにした。こいつらは生きていられてもナルトが危険なだけだ。全員地に伏せ蠢いているが未だに謝らないか、どうやら相当の馬鹿らしい待ってやったのに。私のこの甘いところは父さん譲りかもしれない秋道チョウザには息子がいるそいつはナルトと同い年だできるならば気持ちを分かってもらいたかったなあ。トドメをさそうと刀をふりあげればイルカ先生に止められた。この人はナルトの面倒をよく見てくれるしナルトを思ってくれているいい人だその先生に頭を下げられれば許すしかないじゃないか。


「あなたは、ナルトに九尾が封印されていて恐ろしくなって捨てたんじゃないのか?」

「ん!ちがいますよ。私はナルトの姉です。唯一の家族をこーゆう低俗な奴等から守りたいと思うのは当然でしょう?ただ、そーゆう奴等が多すぎてあの子には寂しい思いをさせてしまってます。ナルトをいつもありがとうございますイルカ先生。」

「いや、私はあいつに何も」

「謙遜なさらないでください。イルカ先生がナルトと向き合おうとしてくれていたのを私は知っています。でも、次邪魔をしたらいくらあなたでも容赦しませんよ」


人当たりのいい笑みを浮かべた筈なのにイルカ先生は後ずさってしまった。可笑しいなあ。ナルトを捜しましょうかと話を切り出し二手に分かれたが私は九尾のチャクラを辿ればナルトの居場所などチョチョイのチョイ。ただ、ナルトをそそのかした悪い人を見つけるために口寄せした雀のチュン仔の情景を左目に移せば....あー、見つけた。ミズキ先生。


私は三代目から後形付けを指示されていたのでまあ、ナルトの成長の為にも戦いは木の陰で観戦させていただいた。強くなってあんなに影分身してお姉ちゃん嬉しい!!ボコボコになったミズキの回収とボロボロになったイルカ先生を医療忍術で応急処置している間、凄いナルトに睨まれた。お姉ちゃんこれでも今日一杯チャクラ使ったんだよ!?それでも風魔手裏剣で背中ざっくりやられて肺を損傷しているイルカ先生の肺再生や止血やらなんやらしてるんだから褒めてよ!


「ナルト」

「今更姉貴ズラすんじゃねぇ!お前なんか家族でもなんでもないってばよ!大っ嫌いだ!」


はあ。私、相当嫌われてしまっている。イタチあんたも愛する弟に望んだとおり憎まれていたけどねえ、痛くない?わたしは凄い胸(ココロ)が痛いよ。ごめんね、と言ってミズキを担いで立ち去ることしかできなかった。


あの事件以降一部の上忍は私を避けるようになった。まあ、あたりまえだ。私は弟の危惧になれば里など意図も簡単に捨てるのだからダンゾウも見張ってきているが今の所接触してくる様子もないし放置だ。そしてカカシが暗部を辞めて下忍の教官になったことには驚きだった。紅と居酒屋でバッタリ出くわして1人で飲むくらいなら誘えとお説教ついでのように聞かされたので詳しくは知らないが最近ツーマンセル組まないと思ったらそーゆうことか。
そしてイルカ先生がよく食事の席を設けてくるようになった。ナルトの話を聞けるから快く引き受けている。私の話を三代目から聞いたみたいで何故かこの人も暗部を辞めるように言ってくる。勿論ナルトに私の事は秘密にしておくように言っといた。ナルトは何も知らなくていいのだ。そしたら悲しい顔してくるからうざい。だがラーメンをおごってくれるいい人なのは確かだ。


「最近やたらとカカシも話しかけてくるけど何で?」

「オレの誘いは断るくせにイルカ先生の誘いにほいほいついてくかおるに妬いてるから?」

「ん、何故疑問系?そして何で私の家に居るの」

「弟に追い出されて寂しいんじゃないかと思ってさ」


働く場所が変われば顔を見ずに済むと思ったがそうでもないらしい。カカシは私の家に不法侵入をかましてきやがった。最初はそりゃもう怒った、いくらなんでも乙女の部屋に無断で入るのはよくないだろうと。それがもう何回も続けば私の根負けである。好きにしてくれ。私が寝るとき帰ればいいや。てか、教官て暇なのか?


「そうそう、今日はただ会う為にも来たんじゃないんだよネ。教官として保護者面談させてもらおうと思ってさ」

「それってもしかして」

「ナルトはオレの下で頑張ってるヨ」

「まさか三代目が言ってた腕の立つ上忍ってカカシのことだったのか...事前に調べられなかったとは一生の不覚」

「まあまあ、後悔するのは後にして今から飯でもいかない?」

「いく!あ、」


気付いた時には既に遅し、カカシがしたり顔で「お前は本当にナルトに弱いね」と腕を引いてきた。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -