いつか来る終わりが

うちはイタチと言う男は私と同じくらいにブラコンだった。そしてアカデミー時代はクラマを操ることができる写輪眼を持った危険な男だと敵対視していた。イタチと話すようになったのは暗部に入って間もないうちで、初めて任務が重なり無事任務を終えナルトの迎えでアカデミーに向かう道すがらずっと一緒だったことがきっかけである。それもお互い一日一緒にいたと言うのに肩を並べて歩き会話もなくアカデミーまで辿り着いた。他所から見たらカップルに見えた光景だったのかイタチの弟のサスケ君が校門であってそうそう「兄さんの...彼女?」と嫌そうに聞いてきた。その嫌そうな顔はなんだ、おい、こら。彼女どころか友達ですらねーよ。と内心思ったのだがあからさまに嫌そうな顔をされればそりゃあからかいたくもなるじゃないですか。


「そうだよ将来は君のお姉さんになるの。ね、イタチ」


と、イタチの右腕に抱き付いてみた。こいつに触れる事と初めて交わしたのがこの言葉である。サスケはこの世の終わりのような顔をして兄のイタチに抱き付き「嘘だよね?嘘っていってにぃーさああああん!」て涙目になっていたなあ。どうしてそこまで私のことが嫌いなのだろうか顔か、顔が気に入らないのか!?イタチは「俺の名前を覚えていたのか」とかどこに反応してんだよ。こっちはそんなの求めてないよ、年相応に頬を赤らめて否定するのを私は冷やかしたかったんだよ。なんだか嘘をついたこっちが恥ずかしくなってしまったじゃないか。
サスケ君はピーピー喚いてうるさいし直ぐに嘘だと言えば満面の笑みになって「よかったあ。兄さんの彼女がこの人じゃなくて」あまりにも私の心を傷つけてくるので高い高いして抱きしめてやったらイタチにそれは俺がやるんだと叱咤を受けた。まさかイタチってホモなのか?と疑った瞬間だった。サスケ君にどうしてそんなに私が嫌いなんだと聞けばどうやら私は弟を捨てようとしている最低な姉だと思っていたらしい。九尾の妖狐を恐れる里の大人達からしたら私がナルトの傍にいないのは自分たちと同じ考えだからだとでも思っているのかね。ほんとうに人間と言うのは醜いものだ。サスケはナルトが人柱力だとは知らないが家で一人だとかこの里で孤立しているのをみて姉弟なら何故傍にいないんだ!冷たい姉だ!と解釈したのだろう。


「サスケ、かおるが弟の傍に入れないのは俺と同じで任務で忙しいからだ。俺を見ていて分かるだろう。例え周りがどう言ってようがかおるは唯一無二の弟を嫌ったりしないさ」

「うん、ごめんなさい」


何故イタチが私のことを語るんだ?あれ?サスケも兄の言葉には聞き分けがいいな。その素直さを無くさずに成長してほしいもんだ。私はサスケに身長を合わせるようにしゃがみ彼の頭を撫でた。振り払われることはなく照れ臭そうな顔をしてサスケは私の手を受け入れた。


「人を疑うことは忍びにとって大事なことだから気にしていないよ。だけど、自分を愛してくれる人は信じてあげてね」

「愛してくれる人?」

「そう、家族や恋人、友達に後輩、先輩、先生。沢山いればそりゃ幸せ者だけど信用するのは少数でも1人でもいいんだよ」

「俺兄さんを疑ったりしないよ!」


忍とはね、たった一度の仲間の裏切りで意図も簡単に人を信用できなくなってしまうんだよ。だから信じるのは自分を心から愛してくれる人にしなさい。ナルトにも何度も言い聞かせたなあ。あ、そうだ。ナルトはきっとブランコに座って待っているだろうからサスケに頭をもう一撫でし「ナルトの味方でいてくれてありがとう」と言ってお別れをした。別れ際も「別に味方とかじゃない!」なんて言っていたが別に友達とかじゃないのは知っている。ただ、あの子の寂しさを分かろうとしていたことに感謝したのだ。



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