泣くのは下手すぎた

カカシの見舞いにサスケが来たタイミングで運悪く一番知られたくない奴にイタチの事を聞かれてしまうとは...。
突っ走って病室を出て行ったサスケを追いかければイタチにサスケは首を絞められてるし、ナルトは狙われてるし自来也先生はいないしで本当に最悪だ。何が弱いのは憎しみが足りないからだ!自分を目指して強くなって欲しいのは分かるがそんなやり方じゃお前が望むようにはならないよ。サスケを助ける振りをしてイタチの腹部に自分のチャクラを送り弱った内臓を治癒させる。余所から見たら私がイタチに1発食らわしたようにみえるだろう。ナルトは流石姉ちゃんかっこいいってばよって私を讃えてくれたけど自分に不利な事したんだけどね。直ぐに自来也先生が来てくれたお陰で暁は退却した。一発攻撃したくらいで何をそんなに披露しているんだと自来也先生に怪しまれたが自分に都合の悪い事は無視だ。疲れるに決まってんだろあの一瞬で診察も含め、チャクラを右手に集めてそれを丁寧に素早く相手の体に送り治療したんだぞ。無視がそうとう嫌だったのか帰ろうとすればしつこく引き止められたので仕方なく酌に付き合いそのまま任務に出た。ああもうチャクラの回復全然できてないよ。

暗部の任務は弱った里内に侵入して来ようとする他里忍びを穏便に始末することで同盟を結んでいる国の人間を殺るのは少々気が引けた。結局、同盟なんて口だけか。任務の上がり時間になればお面をつけた代わりの忍びがやってきて死体を入れた穴を見れば「まるで化け物だな」と冷めた声で言われた。お前も今から私と同じことをするんだろうが。穴の中に起爆札を入れ爆発と同時に穴の周りの土が覆い被さりその上から掘っておいた土を術で纏めて移動させ穴を埋める。これで私の仕事は終了だ。


「自来也先生を見張る?」

「ああ、もし自来也が綱手の説得に失敗した場合の事を考えてのこと...里は早急に五代目火影が必要なのだ!」

「あの人は逃げない、それにナルトも一緒にいる事を忘れないで頂きたい」

「無理は承知で言っておる。もしもの場合だ。かおる、お前は四代目に似ているのだ。外見だけじゃない、術の才、戦地においての判断力お主の頼みとあらば自来也も快く引き受けるだろう。」

「気に入らない。あんた達の考えていることは全て人任せじゃないか。」


自来也先生がダメなら綱手様、綱手様がダメなら自来也先生。ただ、三忍と呼ばれた2人の知名度に任せようとしているだけだろ。わざわざ任務終わりに人を呼びつけておいてくだらない里のいざこざに巻き込まないでいただきたい。


「...木の葉隠れの力は恐ろしいほどに低下しておる。人柱力を狙う輩もでておるのだ。お主のワガママでナルトを自由にしているがこの状況が続けば上も黙ってはいないだろう。里の監視下に置き「ご意見番殿それは脅しか?」


まさかナルトを交渉の道具に使ってくるとは思わなかったなあ。頭に来たので持ってた狐の面を粉々にしてしまったよまた暗部の受付で貰わなきゃ。少し怯んだ年寄り2人は言葉を選びながら私に自来也先生の説得を頼み出す。里の復興のため、若い世代がのびのびと生活するにはだとか心にもない言葉を並べる前に一言自分の安全を確保する為には里の安寧が必要なのだと潔く言われたほうがマシだ。術で条件を2つ書いた紙を出しそこに血印を押すならその任務を引き受けるといえばしばしの間はあったが2人は親指を噛み印を押してくれた。交渉成立だねと微笑めば苦虫をすり潰した顔で「女狐め」と睨んできた。おいおい、父さんと似ているってあれほど言っていたのに心の声は最後まで留めておきなよ。

まさか大蛇丸と綱手様が接触するとはねぇ。めんどくさいことになりそうだ。自来也先生が話しても火影何てクソだとか言いはじめてナルトは怒っちゃうし流石に自分の弟が簡単に負けてしまった上に馬鹿にされる所は気分が良くないので姿を表せば凄い綱手様に怪訝な顔をされた。


「つまりナルトの人権を尊重することとこの先いくら大事な任務があったとしてもナルトを最優先にしていいのを正式に認めさせる条件にワシは負けたのか」

「そんな言い方しないでくださいよ自来也先生。本当に見張るつもりだったこんなのこのこ姿を現したりしませんって」

「おいおい、まさか姉弟そろって私に喧嘩ふっかけてくるんじゃないだろうねぇ」

「やだなぁ、私はナルト見たいに直ぐにキレたりしませんよ。ただ、お二人のどちらかが火影になると頷いてくれなければ私も頑張らないといけなくなりますね」


お久しぶりの再開でわざわざシズネさんにも下がってもらったのに私は図々しくも二人の呑みに参加させていただいた。綱手様はあいつ(四代目)の娘であるお前がやればいいだろうと不思議な事を言うもんだから笑ってしまったよ。


「ん!綱手様。私は愛する弟が全てなんです。今、里が崩壊しようとナルトが傷ついているのなら私は里には目もくれずナルトを優先します。私にとって木の葉を守るのはナルトが火影になる夢をもっているから。ナルトの夢が私の夢なんですよ。」

「火影なんて早死にするだけさ、弟が大事だと思うなら早々に現実を見させてやりな」

「死なせませんよ、絶対に」


絶対なんてありはしないんだよ、あんたがどんなに弟を大事に思ってたって人は死ぬんだから。まるで自分を追い詰めているように綱手様は私に話しかける。自来也先生は大蛇丸の話題を出し綱手様に釘をさしていた。愛した人を失ったこの人はその時から動けないでいる。自来也先生と綱手様を見張りながらさりげなくナルトの修行に付き合ってあげたり久方ぶりに博打をしたら大当たりだして飲み明かしたり気分は休日だ。まあ、一週間だけだったけどね。


「かおる!?」

「ナルトの未来を邪魔するあんたらには死んでもらう」


カブトが綱手様を攻撃するの同時に私も綱手様を庇うように登場すると大蛇丸は次の獲物を見つけたとでも言うように笑い両親を生き返らせる代わりに手を治せと言ってきた。その返答を無視して綱手様と一緒に攻撃をしかける。彼女の気持ちが痛いほどに私には分かるのだ、例え生き返ったとして彼らの夢はそれと同時に終わりを告げる、そして戻りたいと思った日々はもう二度と返ってはこないのだ。




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