愛が付き纏う生き物

先に行ってしまたナルトの後を追いかければ時すでに遅しで私が見られたくなかったものをナルトは見て茫然と立ち尽くしていた。


「何でオレの写真がこんなに一杯貼ってあるんだってばよ...」


リビングにある大きなコルクボードにはナルトが赤ちゃんの時から下忍になり7班で撮った写真を貼っていた。その下の棚には誰が来訪しても直ぐに隠せるように父さんと母さんと写っているやつやイタチとサスケと撮った写真も写真立てに入れて飾ってある。ナルトがまさか家に来る日が来るとは思ってもみなかった。カカシがこれをナルトに見せようとしてくるとはな。やっぱりこいつの侵入を許したのが間違いだった。


「ナルト、お前は自分がかおるに捨てられた、だから家族はいないって言ったが家族を捨てるような奴がこんなに昔からの写真を飾るか?」

「でも、じゃあなんでオレの事を」

「お前は一度でも理由を考えた事があるか?かおるから話を聞こうとしたことがあったか?まあ、聞こうとしてもこいつは答えなかったと思うが少なくとも自分のことを心配してくる弟を蔑ろにするような奴じゃないさ」


カカシは親を早くに亡くしているから私たちが家族でありながらすれ違うのを見ていられなかったんだろか。カカシは父さんのこと凄い尊敬していて懐いていたもんなあ、父さんの子供がって事も関係してそうだ。台所に行き二人分のお茶を用意しながらカウンターキッチンなので様子を伺う。キッチンから見えるようにコルクボードを置いたから丁度ナルトやカカシが話しているのが見れる。困惑しているナルトにそれを宥めるカカシ。お茶を机に並べて席に座るように促せばナルトは未だ信じられないようで自分の写真を見つめている。


「ずっともどかしいと思ってはいたんだよ。これを期にかおるは暗部を辞めて家庭についたらどう?お金なら今迄貯めてきたぶんと退職金で充分普通の暮らしはできるでしょ。オレの家に来るでもいいしネ」

「私は暗部を辞めるつもりはないよ」

「もうナルトはお前が守ってやらなくてもだいじょうぶだよ」

「守るってどうゆうことだってばよ!オレが化け物だから嫌で家を出たんじゃねえのか!?」


ああ、なんてこった。ナルトが悲痛に顔を歪めているじゃないか。優しくて素直な子なんだよこの子は誰よりもだから事実を知った時ナルトは自分を責めそして罪悪感で満たされてしまうそれを避けたかったというのに...
イタチのように上手くはいかなかったなあ。いや、私もカカシ見たいに止めればよかったんだ本当に彼を想うのなら。父さん、母さん...私は間違っていたのだろうかナルトをちゃんと守れていたかな?


「たった一人の家族を嫌うわけないだろう。あんたが自分を化け物だと言おうが里を捨てようが犯罪者になってもナルトは私の弟だよ。」


席を立ちナルトの頭を撫でてやる。昔は私の胸あたりに頭があったのに今は首あたりできっとすぐに私の身長なんか簡単に超してしまうんだろうな。涙を目に一杯溜めたナルトは昔のように私に抱きつき声を堪えて泣くもんだからカカシに外に出るよう合図を送り退場してもらう。これからは家族の時間だ、ここまでセッティングしてもらって申し訳ないがカカシに居てもらっては困る。


「どうじで家にがえづでこなくなったんだってばよぉ」


はは、泣きながら話してるから声が擦れちゃってるじゃん。私もナルトを抱きしめ耳元でこれから話す事はとても大事なことだから誰にも言ってはいけないよと伝える。ナルトは首を縦に振って抱きしめる力を強くしてきた。


「ナルト、お前は化け物なんかじゃないただ体に九尾が封印されているだけなんだ。でもねその九尾は私の中にもいるんだよだからナルトの場所は九尾のチャクラを辿れば直ぐに分かるしナルトに危険が及べば私は誰よりも先に気づくことができる。なぁに、ナルトも九尾チャクラのコントロールができるようになれば私にそれを使えるようなるよ。
だけどね、この九尾が悪い奴に渡れば里なんて簡単に崩壊させることができるんだ。私はそんなやつらと戦うために暗部に入ったのさ。ただ忙しくてナルトには寂しい思いを沢山させてしまったね。」

「ほんとうだってばよ!オレがどれだけ寂しかったか!」

「私はナルトの傍にずっと一緒にいることはできないんだよ。だから私なんかじゃなく仲間や好きな人、その人達を大切にして欲しいの。お前には九尾や里なんて関係なく幸せになってほしいんだ火影になる夢を叶えて可愛い嫁さんを貰って私に孫の顔を見せてね」


姉さんとの約束だよ。だなんてずるい言葉をよくもまあ言えたもんだ。ナルトが自分を人柱力だと言わない限りこの先も狙われるのは私だけで済む。お前を守ることを止めるつもりはないよ。


「姉ちゃんの幸せはどうなるんだってばよ!オレだって強くなった!もう守られるだけじゃない戦う事もできる!」

「私はもう充分幸せだよ。ナルトが私をまたお姉ちゃんと呼んでくれたそれだけで十分さ。」


今日はもう夜遅いから泊まっていきなと笑いかければ納得いかない顔をしていたナルトも笑顔になって一緒に寝ようと言ってくれた。他愛ない会話をしナルトから距離があった時の話をたくさん聞いてやっとこさ寝てくれたナルトの寝顔に安堵しつつベットを抜け出す。ナルトを起こさないよう玄関のドアを開ければカカシが壁に寄りかかってイヤラシイ本を閉じ私と向かい合う。


「まさかここでずっと待ってたの?」

「いいや、オレもお前が思ってるより暇じゃないからね。仕事を済ませてから戻ってきたよ」


嫌味なやつだな。さっきのこと根に持ってるのか。カカシもこっちの事情を察して中には入ろうとしてこなかったが戻ってきたて事はやっぱり今回の件にはまだ続きがあるのか。


「で、私の今までしてきた努力を無駄にしてまでしたかった事ってなに?」

「純粋に好きな子の姉弟仲をよくしたかったが理由じゃだめ?」

「ダメに決まってるでしょ。やっぱり一発殴らせて」

「ダーメ。キスならいくらでもどうぞ」


こいつまじで言っているのか私をからかっているのかどっちなんだ?三代目にそろそろセクハラ行為を訴えようかな。でもやっぱり一発殴りたい避けられないよう不意を狙ったというのにカカシはしっかり左頬前で私の拳を握り止めやがった。しかも離さないでそのまま距離を縮められて私が追い詰められる状況になるし最悪だ。


「悪かった。少々強引なやり方だったとは反省しているつもりだよ。」

「少々じゃない。大分だ」

「ナルト達を中認試験に推薦する。三代目がその試験官にお前を選抜されたんだ。この意味が分かるな?」

「私を試験官とすることで公平で正当な判断をくださなければならない立場に置きナルトへの接触を避けるため...。つまり試験中どんな危険にナルトが苛まれようと手を出せば即失格てことか」

「厳密に言うとそうなる」


本当に頭の回る男だ。せっかくナルトがまたお姉ちゃんと呼ぶようになってくれたのに私がナルトの力を信じず助けに行けば愛する弟は脱落するぞと脅しをかけてくるなんて。まあ、ちゃんとした通達は明日渡されるみたいだから今日は姉弟水入らずのとこ邪魔したねと去っていたカカシの背中に苦無を投げつけてやればやっぱり意図も簡単に避けられてしまった。どうにかしてあいつの悔しがる顔を見たいので朝からナルトと作戦を練るのであった。




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