宙兄弟
四畳半の宇宙




時刻は夜の10時過ぎ。
あたしはお風呂から上がり、濡れた髪を乾かす。

お風呂に入っている間に着信やメールが来ていないかチェックをするも、特になし。


午前0時過ぎ。
TVを消して布団に入る。

ケータイを充電器に差しながら、メールが来ていないかセンターに問い合わせてみるが受信ボックスに変化はない。


「………。」


ヒューストンとの時差は約14時間。
今頃はNASAで午前中のプログラムでも受けているのであろう。



「…ムッちゃんのバカ。」




約1週間ほど彼からの連絡はない。




遠距離恋愛、しかも日本とアメリカという時差があるところにいるので連絡を取りづらいなんて日常茶飯事だ。
寂しくないと言ったら嘘になる。
でも六太と別れたくなかったし、寂しさも覚悟の上で彼の夢を応援した。



応援して、応援して、応援して、、、。



夢が叶ったとたん、蚊帳の外に追い出された気分だ。


「…ムッちゃん、何してんだろーな。」


カーテンの隙間から漏れる灯りに照らされた天井を見つめながら独りごちる。
こういう時ドラマなんかでは彼氏からの連絡が来て、ヒロインが強がりながら電話に出たりするんだけど、、、現実は甘くないことを何度思い知らされた事か。

それでも、
そんな安っぽいドラマのシナリオでも、
憧れて、淡い期待を抱く自分がいる。



「バカはあたしか、、、?」



自虐に苦笑いを浮かべ、おもむろにケータイを手にとった。




宛先:南波 六太
件名:(*`へ´*)
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六太のバーカ。






「寂しいぞ、バカ。」








結局、今日も
未送信BOXゆき

頑張れ、ムッちゃん






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