お兄ちゃんお兄ちゃん!私ね就職決まったよ!
夜はキャバクラでね昼はコンビニなんだ!ね、私もやればできるんだよ。本当に拾ってくれる神様がいたんだよ!
態々、兄の見周りについて現状報告してるのにお兄ちゃんは一向に喜んでくれない。

なんだよなんだよ。せっかく迷惑かけないように頑張ってるのに褒めるって事をこの人はしないんだからまったく。

「あのなあ、もっと普通の仕事見つからなかったのか?」

「たとえばどんなの?」

「スーパーのパートとかよお、ファミレスの店員とか」

「そんなのまったく思いつかなかった」

「やっぱり総悟にまかせたのが間違いだったな」


音子は嬉しそうに就職報告をしてきたが兄としてはまったく喜べない。
この際変な仕事やられるより男に変装させて真選組で働かせたほうがいいかもしれねーな。
それか田舎に帰すか…俺の言う事を大人しく聞くような奴じゃなかったこいつは…

「住む場所は決まったのか?」

「うん。新八くん家」

あそこかよっ!まあ、近藤さんを迎えに行くついでとかに顔が見れるからいいか。
それにしてもよくあの白髪頭が許したな。万事屋としてとか何癖理由をつけて金を要求してきそうだ。
そこは眼鏡がなんとかしてくれるか。

「そんな睨んでて何処みてるの?」

「この先の事だよ!」

「この先に何かあるの?」

道じゃねぇよ!お前の所為で俺の皺が増えてんだよ!
少しは自分がどれだけ勝手なことしてるか気づけ!

「…仕事大変?」

「?どうしたいきなり?」

「なんとなく」

「大変にきまってんだろ」

人の命をどうこうする仕事なんだから楽なわけねーだろ。
攘夷浪士はうようよしやがるし暇なわけがねーって…
こいつにはしてはらしくない事聞いてきたな。
チラっと隣をついてくる音子の顔色を見ればめずらしく萎れた顔をしていた。

(なんかしたか?)
(こいつがこうだと調子狂うんだけど!)






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