変化


「空が凄く綺麗なんだ」

きっとお前と見たらもっときれいだったと思う。

「なぁ、俺は昔と変わっちまったのか?」

高杉晋介は昔と変わらないはずなんだ。
俺は何も変わっちゃいない。なのに、他者から見ると悪い方向に変わっていったらしんだ。
昔とは違う建物や武器とか見てると何だか自分までも自分が変わったと思っちまうんだよなぁ。

春雨の船に乗り移る時に見た地球の空は淀んだ時代とは裏腹にあの日戦場を駆け巡った後の夜の様に綺麗で澄んでいた。
侍の魂がまだ大勢にあったときはなんだか希望がわくような空だったな。

「晋介さまーっ!そろそろ出発しますよー!」

「…あぁ」

お前の幸せを俺がブチ壊そうとしてると知ったらお前は泣くか?
それともさっきのまた子の様に俺の下につくのかねぇ。
多分俺は殺しにくると思うな。

歪んだ表情で辛そうに涙をこらえ「馬鹿野郎っ」て言った後に刀を振りかざして哀しそうに笑うんだ。
俺が相思相愛なんて言ったら笑われそうだな。
だけど、好きな女を自分のものにしようとするのはあたりまえだろ。
それが自分の事を好きな女ならなおさらだ。
江戸のため?世界のために何で俺が好きな女を得体のしれない違う星の野郎にやらねぇとなんねーんだよ。やるかよ。

「誰にも渡さねえ」

国のために戦った俺はお前の為に国を捨てる。




(早く会いてぇな)
(そんで2度と離さねぇ)



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