拍手、ありがとうございます。 星空と君と(那翔) ------------- 最近、那月の元気がない。 何か悩んでいるんだと思うが那月はそれを俺や周りには絶対言おうとしない。 那月はきっと誰かに「甘える」ことがいけないことだと思って1人で抱え込んでしまうタイプなのだろう。 かくゆう俺も幼い頃から誰かに「甘える」ということは迷惑をかけることだと子供心に思い1人で抱えてきた。 だから俺も那月も似た者同士なんだと思う。 「那月、星見に行こっか?」 そんな時は那月が好きな星を2人で見に行く。 そうすると、那月が少しだけ元気を取り戻せることを俺は知っている。 夜の早乙女学園。 二人で深夜の学園にこっそり忍び込むのは心臓には悪いけど、なんだかわくわくした。 小さい懐中電灯の明かりだけを頼りに真っ暗な階段を屋上目指して登る。 真夏なのに夜の学園はなぜかひんやりと冷たく、人気のない校舎や階段はなにか出そうなそんな恐怖さえ感じる。 2人の息遣いと、二人だけの足跡が静かな校舎になぜだか大きく響くような気がする。 やがて、屋上の扉が見え俺たちは顔を見合わせて笑い、少し早足で扉を目指した。 屋上へ到着した俺達は、フェンスに向かって少し走ると、空を見上げる。 都心から少し離れた場所にある早乙女学園は空気が澄んでいて晴れている日は空一面星屑を散りばめた様な空が広がる。 那月がいつだったか言っていた。 『この空、実家と同じなんです』 と。 この星空を見ている時、那月は実家にいた時のことを思い出してるのかもしれない。 俺は黙って隣に立ち、キラキラした星と同じ目で空を見上げる那月を見た。 そんな俺に気づいた那月が俺の顔を見てにこりと笑う。 「ありがとう、翔ちゃん」 気がつけば、隣にいる那月は俺の手をぎゅっと握っていた。 それがなんだか恥ずかしくて空を見上げた俺は流れ星を見つけ空いてる手で空を指さす。 「あ!ほら、那月、流れ星!!」 流れ星は那月に声を掛けている間に消えてなくなってしまった。 でも俺は最後までそれを見届けることは出来ず。 振り向いた那月に唇を塞がれていた。 「流れ星見つけてはしゃぐ翔ちゃんがあまりにも可愛くて我慢できませんでした」 リップ音鳴らし唇を離した那月がふふふと笑ってそう言った。 「し、しょうがないやつ…」 繋がれた手から伝わる体温は、那月のものなのか俺のなのかもうわからなかったけど、それはとっても熱くてでも俺たちは手を繋いだまま、夜空に散りばめられた星屑を眺めていた。 ------------- Twitterお題をお借りしようと思ったのですが間違えて消しちゃって新たに調べたら変わってたから一応前のお題で書きました。 一応、お題はこちら→https://shindanmaker.com/545359 -------------- 感想、リクエスト(こんなお話が読んでみたい!)などありましたらコメントにてどうぞ。 ※リクエストは全てに答えることはできないかと思われますがそれでも宜しければお願いいたします! |