8月の某日――――…


茂野家の電話が鳴った。



「由紀ーっ、清水さんから電話よ〜」
「はーい」



ソファーに座っていた由紀は、母から電話を渡される。



「もしもし〜」
『あっもしもし?あのさ…由紀、明日とか空いてる…?あと本田も』
「私は空いてるけど、ゴローはどうだろ…。ちょっと聞いてみるね!」




由紀は、隣にいた兄の吾郎に明日空いてるかどうか聞いてみたところ、吾郎も空いていた。



『本当に!?よければ明日遊園地に行かない?無料チケットを友達に1枚貰ってさ…、1枚で5人まで入場可らしいのよ!沢村と小森も行けるみたいだからさ♪』
「あっ行く行く!ゴローも強制的に!」
「…は?」




何のことか分からない吾郎は、不思議そうに言った。




『じゃあ明日、三船東中の正門の前に朝10時に待ち合わせで♪お昼は各自用意するって事で!』
「りょーかい!また明日ねーっ」




2人の電話は終了した。




「…何の話してたんだよ」
「明日遊園地行くの!沢村くんと小森くんも来るんだって!ゴローも一緒に行くんだよ?これ、強制だから!」
「はぁぁぁぁぁ?!」
「ゴローくんには、拒否権はございませーんっ(棒読み)」
「…は?(拒否権ねーのかよ)」








- ナノ -