(予防線だらけの恋の続き)

 クルクル回るお前は何のことを考えているのだろうか。いや、何も考えていないのだろうな。

そんなお前の言葉が、頭から離れないんだよ。

「気に入った、か…」

 夕方、乾燥しきった水彩画を集め重ねてしまう。
 そういえば、あいつとの最初の授業も水彩画だった。
あいつの作品は出来が良く、県内のあるコンクールに出して賞を取っていたよな。しかし、返しそびれていたのではないかな…。

「どこだっただろうか…。」

 探してみようと準備室を漁る。
さほど時間はかからず、目当てのものは見つかった。
 絵を広げて見る。実にあいつらしい作品だと思う。

 ふと、今日のあいつの目つきを思い出した。
何も映さないような瞳が、一瞬で全く違ったものに変わる。それを初めて見たのも、あいつがこの絵を描いていた時。



「明日、返せたら返そう」

 夜の学校は寒い。指先が冷えてきたようだ。

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