001: シュティア・ホルン

001-1: incubus × person(人間)

それじゃ、後のことは任せて。俺がやっておくから。
(今日もまた夜遅い時刻に帰宅した相手は疲労困憊なのを隠しきれない様子で、そんな時こそ一つ屋根の下で寝起きすることを許された自分の出番。家主が就寝してしまえばどうせ暇を持て余すのだし、日頃の感謝を込めて夜のうちに家事を代行するくらいはお安い御用だと相手を寝室に追い立てて、そのままドアを閉めようとしたところを引き留められる。おやすみ、と笑いかけてくれる無防備な表情に、今なら唇を奪うことさえ容易いのではないかとざわめく淫魔の本能を抑えつけ、努めていつも通りの笑顔を作って応え)
……おやすみ。また明日ね。

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