007: グランキオ・ウルラート

007-3: exorcist × exorcist(同僚祓魔師)

Mannaggia, ジジイめ、単独任務を寄越せっつってんのに何が悲しくてサポートばっかりなんだよ。しかもこの量……ああ忌々しい!
(「お前向きの仕事がある」なんて言われ、のこのこ出向いた南欧支部にて威厳漂う支部長から下されたのは、しかし自分が好んで引き受けている任とまるで正反対の種類のものだった。拒否と罵倒はまともに聞いてもらえず、事前かつ勝手に準備されていた荷物とともに手早く送り出され、それから公共交通機関を乗り継ぎ数十時間後、不本意ながら降り立った任務地の空港ロビーで一人こぼした悪態は喧騒に紛れ。片手に抱いた分厚い書類の束はそれほとんどすべてが指令書の類、そこに記された一文と周囲の人々を見比べながら、趣味ではないスーツケースを引きずって広いロビーをうろつくことしばし。人混みの中で同じようにきょろきょろと付近を見回す人物の、胸元に光る銀十字祓魔協会のバッジに目敏く気付くや、にこやかに近寄って行き)
Buon giorno principessa! ここに書いてある担当者ってお前? どーも、そちらさんの尻拭いのためにはるばる派遣された哀れな仔羊でーす、以後お見知りおきを! クソが!
(ここ、と指令書に印字された担当者名の部分を相手の鼻先に突きつけ、笑顔のまま冷やかし混じりの口汚い挨拶を終えれば書類の束とスーツケースをぽいぽいと投げ捨てるように相手に押しつけて、自分はさっさとエントランスに足を向け)
お前のお手伝いで来てやったんだから荷物ヨロシクー。あー面倒くせえ。なあ、ここの名物なに? 地酒とかねーの? キレイなオネーチャンがいる店はー?




*Mannaggia,
(ちくしょう、)

*Buon giorno principessa!
(こんにちはお姫様!)
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