006: メアルー・スル・オーランローズ

006-6: succubus × person(人間)

気持ちは嬉しいけど……あんまり子供扱いしないでほしいわ。あたし、もうすぐ成人するんだから。
(優しい言葉に甘えて居着いた人間の住居の一室。姿見の前で相手が買って来てくれた服を次々と試着しながら、しかし体型の問題か、それがキャラクターものであったり色鮮やかに過ぎる子供向けの服ばかりだったことに頬を膨らませ、その仕草の幼稚さを自覚せぬままぼやいた言葉に「えっ」と声が上がったので、大きな瞳をぱちくりとさせて後ろで様子を見守っていた相手を振り返り)
な、何をそんなに驚くのよ。……はあ!? うるさいわね、あたしの成長期はこれから来るの! 言っておくけどあたしのお父様は背の高い方だし、お母様もお姉様もとってもスタイルがいいのっ。
(成人を間近に控えてまだそんな幼児体型なのか、と相手の驚きがそういう意味であると理解すれば、顔を赤くして手に持ったいかにも女児向けのTシャツを相手に投げつける。それでもまだコンプレックスを刺激された不満は収まらず、加減せず思いきりよく相手に飛びかかると、床にどこかしらぶつけて痛がるその声を聞こえないふりで残念ながらまだまだ平たい胸を張って自信満々にふんと鼻を鳴らし)
だからつまり、あたしだって今にすらーっとしてばいーんってなるに決まってるわ! なってから手のひら返したって遅いんだからね!

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