011: 相馬 涼乃

011-10: person × ...

お腹減ってない? このホテル、ルームサービスも美味しいの。何か頼もっか。
(部屋に備え付けてあるメニュー表を手に、ぼすん、と勢いよく寝台へ腰を沈める。反動で小さく跳ね上がった体をすぐに柔らかく受け止め、間もなく芯に響くようなスプリングの振動も収まって、さらりと肌触りのいいシーツの海を滑るように相手の隣へ。お互いの肩先が接する近距離で膝の上に広げたメニュー表をぱらぱらとめくっていく途中、目を留めたのはデザートのページ。写真付きで並ぶ文字列を辿っていた指先は、結局のところそこではなく軽食を取り扱う隣のページの中から一つを選び出し、決めてしまえばあとは相手の番。より見やすいよう品書きを相手の側へと寄せて傾けながら、ついでに年齢の割に豊かな胸もその腕に触れるように身体をくっつけ)
私、甘いものが食べたいな。フルーツ盛り合わせ、カットケーキ、ぜんざい……あ、フレンチトースト美味しそう。君は?

- ナノ -