013: ステラ・フルゴル

013-9: exorcist × immediate boss-familiar(支部長の使い魔)

(夕刻、降り立った地方駅に自分たち以外の乗降客はいなかったらしく、開放的な屋外のホームは閑散として寒々しい風が吹きつけている。じりじりと地平線の向こうへ落ちていく真っ最中の太陽は同行者の虹彩の色にも似て、濃く深い朱色に染まるコンクリートの上、トランクを両手で持ち上げると長く伸びる影を踏むように足早に歩き出し。今夜の宿は祓魔協会のほうで既に押さえてくれているはず、駅舎を出たら携帯端末で道順を確かめるつもりでさっさと進んでいた足を仕方なさそうに止めたのは、後を追う相手の声が届いたからだった。今回の任務におけるパートナーと言おうか、監督者、あるいは保護者代わりとでも言うべきか、上司の使い魔を渋い顔で振り返る。むろん自分の身を慮っての措置であり、何も嫌がらせで相手と組まされたのではなく──それどころか相手のほうだって未熟な低ランクの祓魔師に付き合わされる格好となって思うところは多々あるかもしれない。ここまでの道中、聞き分けのない子供じみた態度を取り続けていたがようやく相手の内情にも考えが及んで、己の無思慮への気恥ずかしさと、一方でどうしても拭いきれない人外への抵抗感に、しばらく迷って開閉を繰り返していた唇を重たく押し開き)
……支部長の配慮なのは理解してます。まだわたし一人で任務に当たらせるのは不安だって、そういうことも。……でも、励みますから! 今回だってあなたにご迷惑をおかけする気はありません、わたしの活躍をどうぞしっかり支部長にご報告くださいっ!
(一度言葉を舌へと乗せてしまれば後は威勢よく、周囲に聞き耳を立てるような人影が一つとしてないのをいいことにほとんど一方的にまくし立て。言うだけ言って気が済んだふうに大きく息を吐き出すと、長くはない金髪をふわりと翻し再び歩き出そうと)




*設定参考
当PCとは険悪な関係でも、さらっと軽やかにあしらっていただいても。このあと手違いで宿が一部屋しか取れておらず……(またはツインのはずがダブル等)な展開もありかと思います。
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