005: 綾瀬 雪斗

005-10/31: mixed incubus × ...

Trick or Treat!
(相手の顔を真正面から覗いて告げる声はひたすらいつもと変わらない抑揚で、ただ口元がにこやかなので表情だけは多少楽しげに見えるだろうか。相手はすでに自分の正体を知っていて、しかも場には二人きり、それに甘えて瞳の印象を薄めるために学校ではほぼ外す機会のない黒縁眼鏡は今はかけておらず、窓の外で刻々と暮れていく空色と同様、濃い赤に変わっていく瞳を悪戯っぽく瞬かせ)
……僕が言うのは意外でした? これでもバレンタインとハロウィンは好きですよ。当たり前じゃないですか、うまくいったら食費が浮きますから。あ、どうせ言うなら仮装しておいたほうがよかったですかね……。
(首を傾げてみせ、そこそこ力強く語ったあとで、はたと視線を落とした自分の体は長袖に衣替えして間もない制服に包まれており、そこにはハロウィンらしさの欠片もない。仮装と言ってもどちらにせよあまり金のかかる装いは出来ないが、これはさすがに雰囲気に欠ける自覚があって困った顔で小さく笑い)

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