011: 相馬 涼乃

011-6: person × ...

(下はスエット、上は謎の前衛的な柄が全面に描かれた七分袖のシャツという気の抜けた部屋着に着替え、鏡台の前で、きつく編んでいた髪をほどいて癖の付いた箇所に櫛を通す。それは学校生活において、その形で抑え込んでいる自分を解放するかのように念入りで、そうする割に眼鏡は外さない事を指摘され、鏡越しに相手と目を合わせるとくすりと小さく笑い)
眼鏡? それが私、本当に目が悪くって。この眼鏡も結構度が強いの。見てみる?
(下まで髪をといてから櫛を鏡台へと置き、体ごと相手を振り返り。ツルの部分を持って外した、フレームのないシンプルな眼鏡をごく素直に相手に差し出してはみたものの、途端に焦点を失ってぼやけた視界に頼りなげに眉を八の字に下げ、距離を測るようにじりじりと相手ににじり寄って行き)
でも壊さないでね。眼鏡がないと全然……君の顔も、このくらい近付かないと。

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