007: グランキオ・ウルラート

007-6: exorcist × clergyman(司祭)

おはよーさん、司祭様ァ? 相変わらず寝穢ねーのな。ほら起きやがれ。俺様が朝飯作ってやったんだから、さっさと──。
(なし崩し的に教会に居座り続ける対価というわけでもないが、これまで自分一人のためにこまごまとやっていた家事炊事を新任の司祭の分も含めてこなすようになってしばらく経ったある朝。キッチンから声を張り上げて呼んでも一向に起きてこない相手の自室に、しばしばそうしているように我が物顔で足を踏み入れてカーテンを開き、薄暗かった室内に爽やかな朝の光を取り入れながらベッドの横に仁王立ちしてその上掛けを引き剥がしにかかる。歴戦の祓魔師の前では寝起きの人間の抵抗などあってないようなもので、ブランケットを奪い取ることに成功したまではよかったが、それであらわになった相手の全身の、より具体的には下半身に目が留まり。中心部が布地を押し上げて存在を主張している。それ自体は男であれば誰もが少なからず経験する共通項だろうが、相手の職業がよりにもよって司祭ということで笑い物にするにも気が引け、ブランケットを引き剥がした格好で動きを止めたまま気まずそうに目だけを逸らし)
あ……あー……起きてるのは下半身って? そういうオチ? いや司祭様も人間だしな、ダイジョーブだよ生理現象なのは男ならみんな分かって……、ハ、何? え? なになに? 司祭様、エロい夢見てムラムラしておっ勃ててんの? ギャハハハ、マジでぇ!? 淫魔に忍び込まれたんじゃねーの!?
(慌てふためく若き司祭の有様を哀れに思ってフォローを入れていたものの、狼狽のせいか、ただの朝勃ちではなく淫らな夢を見たせいだと途中で口を滑らせた相手に本来の底意地の悪さが顔を出す。ブランケットごと腹を抱えてげらげらと、時に呼吸も苦しげに喉を引き攣らせるほど散々笑い転げたあと、彼に人差し指を突きつけて皮肉っぽい揶揄を投げつけると大笑するあまり目尻に滲んだ涙を肘のあたりまで捲り上げたシャツの袖口で拭い)
くはは、あーやべえ……司祭様ホント笑える。かーわいいねェ。溜まってるからそんなコトになるんだよ。なんなら俺様がヌいてやろうか? ん? 口でも手でも足でも貸してやるよ?
(ブランケットをベッドの上に放り投げ、続いて自分もベッドへ乗り上げて彼の腰を跨ぐような形で陣取れば、動物に似たしなやかさでするりと上体を擦り寄せる。淫靡な気配とは無縁のまばゆい朝陽が射し込むなか、成人男性二人分の重みを受けてスプリングが悲鳴じみた軋みを上げるのも意に介さず、ちらりと覗かせた舌で吊り上がった己の下唇を湿らせながら右手は相手の頬から首筋を伝って寝間着越しに胸部をなぞり、もう一方の指先はと言えば意味深に自らのベルトにかかり)
それとも、もっと別のトコ貸して欲しーい?

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