006: メアルー・スル・オーランローズ

006-1: succubus × person(人間)

(すでに横になった相手の隣、ベッドのふちに腰掛けて脚をぷらぷらと揺らしつつ交わす言葉の内容は、身の回りの他愛ない出来事について。日中ともに過ごせなかった分を埋めたがる気持ちの表れか、話が途切れそうになると新たな話題を引っ張り出して、それなりに長い時間相手をおしゃべりに付き合わせていたが夜深くなるほど調子の上がる淫魔と違ってごく一般的な昼型生活を送る相手は限界が近付いてきたらしく、そろそろ、と布団にもぐって就寝体勢に入るのを見てつまらなそうに口を突き出し)
……もう寝ちゃうの? べ、別にさみしいなんて誰も言ってないじゃない。人間はずいぶん早寝なのね、って、それだけよ。
(単なる揶揄か、それとも本当にそんな風に見えたのか、宥める言葉を投げかけられて子供っぽくむくれながらも、だからと言ってこれから眠りにつくのを流石に邪魔しようという気はなく、手を伸ばして枕元に灯ったベッドサイドのライトを相手の代わりに消し。一瞬にして暗闇の降りた室内、すぐには相手のそばを離れようとはせず、むしろ身体をさり気なく相手の方に寄せ)
それじゃあ、おやすみなさい。……ねえ? どうしてもって言うならあたしが一緒に寝てあげても構わないけど?

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