「先生、私のこと好き?」

縁側でスイカにかぶりつきながら、美和は「晩ご飯なに?」と聞くような気軽さで問いかけてくる。

「…は?」

「だーかーらー私のことすき?」

「え、あ、まぁ、それなりには、」

「なにそれなんではっきりしやんと」

シャク、スイカを囓る音が涼しく感じる

「じゃあ、タマは?なるは?」

じっと、庭でホースを片手になるとひなに遊ばれるヒロを見つめる。

ヒロ兄は?

続けられる言葉に、どきりとした。

「私たちの好きとヒロ兄への好きは違う?」

美和の視線はまだ、ヒロに向けられたままだ。

「…いきなりなにを言い出すんだ」

「ヒロ兄って、馬鹿だし中途半端だし平凡だし馬鹿だけど料理は上手いし運動もできるしうちらには優しいの」

す、と美和の視線がこちらを見据える

「そう簡単に、ヒロ兄はあげれんよ」

「!!」

ばれてる…!

「な、んで…」

「先生の顔にかいてるし」

口元を手で拭いながら立ち上がり、ヒロたちの方へと駆け出す。

顔にかいてるし
美和の言葉を反復する
顔にかいてるし
そ、んなに、顔に出てるか…?
顔が赤くなっていくのがわかる

「先生ー!」
なるが、手を振りながら呼ぶ
「先生もあそぼー!」
なるはヒロから奪ったホースを振り回す。
「こら!なる!冷てぇ!」
その隣でヒロは笑う。
「あはははは!ヒロ兄びしゃびしゃ!」
そしてヒロの隣で美和も笑う。

女子中学生に牽制された。
しかし、俺だってもはや、はいそうですかと、諦められないとこまできているのだ。
あぁ、まだきっと顔は赤い。
それでもヒロが笑うから、重い腰を持ち上げた。











清ヒロ←美和

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