「つ〜づる〜」
「なんすか?今忙しいんすよ。」
「コンビ二までお使いしてきて。コーラとコンソメと5000円分のカード」
「はぁ!?俺の話きいてました?!」
「お願い。おつりでアイス買っていいから」
「小学生か!」
「俺今殺人鬼に吊るされた人助けなきゃだめだから」
「なんてゲームやってんすか…」
「ね、お願い」
「はぁ。…一番高いアイス買ってやる」
「いいよいいよ。あ、ふたつ買っといて」
「もちろん買えるだけ買ってきますから」

たたみ終わった俺の服の代わりに、一万円札を握ってでて行った。頼みこんだら断れないの、俺は助かるけどちょっと考えものだよな。
殺人鬼から逃げ切れず天に引きずり込まれたのを見送ってコントローラを置いた。



コンビニからそこまで大きくないビニール袋を下げた綴がでてきた。
「綴」
「え、至さん!?なんで!?買い忘れっすか?」
「綴のお迎え」
「は?」
「だから、綴のお迎え。帰ろ」
「いやいやいやそれなら自分で来たらよかったじゃないっすか」
「綴に行ってほしかったんだもん」
「もんとか言っても許さないんで」
「綴、アイスは?」
「…買いましたよ、ふたつ」
「買えるだけ買うんじゃなかったの?」
「そんなにいっぱい買っても冷凍庫に入らないんで」
「そっかそっか。じゃあさ、公園で食べて帰ろ」
「帰らないんすか?」
「夜でもこんなに暑かったら溶けるでしょ」
「あ〜」
「ね。決まり」

綴が納得しそうなことを並べたてて、公園に引っ張り込む。
こんなにちょろくて心配なんだけど。でも気づいてしまった。
もしかしてこんなにちょろいの、俺にだけだったりして。都合よく考えて、腕を掴んでいた手をさり気なく掌まで下ろして手を繋いだ。
振り払われないことをいいことに、この関係にそろそろ名前をつけてみようか。











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