エースがいない生活を久しぶりに送った。それは穏やかな時間しか流れないつまらなさとさみしさしかなかった。まだ行って3日もたってないのに。予定帰国はまだ遠い。
エースから電話がかかるのは夜だった。今日も夜22時過ぎに着信をつげる。エースは朝だろう。電話越しに起き抜けの擦れた声が聞こえて会いたいと強く思ってしまうからいけない。

「もしもし?おはよう」
「おはよう」
「なんだ、今日は寝ぼけた声じゃないな」
「あぁ。少し早く起きたんだ」
「そうか。」
「サボは?今家か?」
「ああ。ベッドに入ったとこ」
「…なぁ、サボ、」
「ん?どうした」
「声、ききたい」
「聞こえてるだろ?」
「いや、違くて、してるときの声がききたい」
「はぁ!?」
「…だって、もう3日だろ…深刻なサボ不足だ」
「だからって、電話越しにできるわけ…!」
「サボは?たまってないの?俺はもうだめだ…」
「うっ…たまってないわけじゃ、ないけど」
「俺たち、まだしばらく会えないんだぜ?」
「〜っだからって電話越しなんて、」
「テレビ電話にするか?」
「もっといやだ!」
「ほら、サボ自分で脱いで」
「…わざと声低くしてるだろ」
「この声すきだろ?」
「〜〜わかった、わかった!脱ぐから!」
「…脱いだ?」
「あぁ…」
「じゃあ、目ぇ瞑って。自分の手を俺の手だと思うんだ」
「竿を握って、ゆっくり擦って、サボの好きなとこ、ぐりぐりって」
「んっ」
「…俺の手、思い出して」
「ぅあ、エース、」
「なに?ちゃんとサボの声聞いてるから」
「恥ずかしい」
「大丈夫。俺しか聞いてないから。ほら、ちゃんと擦ってるか?」
「うん、んっ、んっ」
「もっと声ださなきゃ、聞こえない」
「あっ、」
「うん、かわいい」
「やっ、あっ、あ、」
「息、荒くなってきたな。サボの今どうなってる?」
「ん、ぐちゃぐちゃって、」
「はぁ、俺も、」
「あっ、あっ、エースっ!」
「サボ、もっと、ぐりぐりってして」
「んっ、ん、もう、」
「もっと、ほら、先をぐりって。すきだろ?」
「んん、エース、」
「…だしていいよ」
「はぁ、エースもっ」
「っあぁ、」

はぁはぁと、ふたりの呼吸だけが電話ごしに聞こえた。
「…サボ、どうだった?」
「……よかった」
それから、毎日電話をしながら自分の手をエースと思って触る。エースの息が、声が、熱が耳から全身に渡った。
テレフォンセックスを始めてからニ週間、電話が鳴るだけで中心が反応してしまうようになったおれはもうやばいと思う。

「エース…もうすぐ帰ってくるんだろ?その、電話でするのやめないか?」
「えっ!?なんで!?すっげぇ声だして気持ち良さそうだったじゃねぇか!」
「そうだけど改めて言うな!」
「じゃあ、なんで…」
「電話…」
「ん?」
「電話がなるだけでたつようになったからだめなんだ!!」
「へ?」
「これじゃまるでパブロフの犬だ…このままじゃ他の人からの電話でもたっちまう…社会的におわる」
「いや、まて、サボ」
「しばらくテレフォンセックスは禁止…むしろ電話も禁止だ…なにかあったらメールしてくれ」
「ちょ…!サボ!!!」
「おれだってさみしいけど!おれのためだと思ってくれ!」
ピッ、と通話をきる。
エースには悪いことをしたと思う。けど、けど!どうにかこの反応を治さなければ行けない。
それからしばらくはメールでエースとやりとりをした。エースの声がききたい。けど、だめだ。この体を治さないと!
そうしてまた一週間が過ぎた。
もう現界だった。
「んっ、エースっ、エースっ、」
ひとりで、自分の手をエースだと思って触る。声が聞こえないのがさみしいけど、エースの枕に顔をうめて匂いを嗅ぐと抱かれている錯覚すらした。
「はぁ、エース、もぅ、」
自然と腰を高くあげてしまう。はっ、はっ、と短く息を吐いてそっと後ろへ手を伸ばした。前にエースが電話越しに拡げ方を教えてくれた通り、指に先走りを絡ませてから一本いれてみる。
「っあ!…あっ、」
ぐりぐりと一本でかき回してからニ本、三本と増やす。
「ぅあっ、あっん、エース、」
ぐちぐちと音をたてて腰を揺すっても物足りない。
「…エース、エースっ」
「そんなに呼ばれたら我慢できない。」
「っやだ、エース、はやく、」
「毎日俺との電話やめてひとりでしてたのか?」
「あっ、ちが、…エース?」
夢中になりすぎて気付かなかったが、いつのまにか焦がれたエースがいる。
「エース!?」
「ただいま」
ちゅ、と頬にキスをしながらエースが服を脱いでいく。
「えっ、なんで!?」
「…今日帰るってメールしたけど」
「あっ、電源…」
「サボは俺の帰りよりひとりエッチに夢中だったみたいだな」
言葉は全部エースに飲み込まれた。
上あごを撫でられ、歯列をなぞり、舌を吸われる。
「はぁ、サボ、もういいんだよな?」
尻を割られエースのものがゆるゆると擦り付けられる。
「んん、エースっ、はやく、」
負けじと腰を揺らしたところでぐん、と熱いものがはいってくる。
あぁっ、と思わずしなる背に早い鼓動がのった。





















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