短い/会話文/ジャンル雑多/不定期





今よりずっとずっと子供の頃。
すぐ下の弟がやっと歩きだしたかどうかのくらい。ごく一般家庭の小さな庭で弟をあそばせていた。
カタカタとなる、長兄から受け継がれてきたところどころ色のはげたコンビカーを押す弟をみながら俺もまた、兄から受け継がれた本をめくった。
真っ黒な長帽子、揃いのマント。武器はラッパ銃にコショウ吹き付け、赤いまさかり。
まさに盗賊だった。ざっくざくに金品を溜め込んだ三人の前に現れたのは…

「ねぇ」
突然、庭先から声をかけられる。柔らかな声だった。そちらに顔をむけてぎょっとする。まさに読んでいた絵本そのものの、真っ黒な長帽子に真っ黒なマント。赤いまさかりのかわりにふわりとゆれる綺麗な髪と、みたことのない瞳が印象的だった。
「…お兄さん、だれ?」





ブルータス。
暗い扉に馴染んだ金字が浮かぶ。
(こんなとこでなにやってんだか)
重い扉を開けば童顔の男がすぐに気がついた。
「こんばんは。今日はどうされます?」
「…そうだな、久しぶりに錬金術師の男の話でも聞こうか」
記憶持ちの男と酒の肴に記憶を夢だと思って物語を語る男/至綴





「綴、その手離してみて」
「いひゃれす」
「………」
「………」
「あ〜綴とキスしたいな〜〜」
「…….ずりゅいっしゅよ」
「ほらみせてみ。…あ〜めっちゃ腫れてんじゃん。なんで放っとくかな。明日歯医者いってきなよ」
「はいしゃしゃんらけはいきましぇん」
「はいしゃしゃん…」





「よぉ」

目線をあわせると変わらない丸い目がじっとみつめてくるから鼻がつんとした。

「迎えにきたぞ。家族になろうぜ」
伸ばした手は軽々とその身体を持ち上げる。
嫌がることもなく抱かれた小さな手が俺の頬を撫でた。あたたかい。遥かむかしのあたたかさを思い出す。

エース記憶持ち転生/ショタサボくんと家族になる





《発見された一冊のノートが、海賊王ゴール・D・ロジャーの息子としてxxxx年に処刑された海賊ポートガス・D・エースの航海日誌ではないかといわれており――――》
(航海日誌って、日記みたいなもんだろ?それが死んでも世に出されるなんて歴史人物も大変だな)
大して興味も湧かず、朝食のトレーを持ちあげると返却台に置き、サボは自分の部屋へと戻った。

現パロ/もしもエースが航海日誌をつけていたら




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