ごぽごぽごぽ
水槽から音がする。取り付けられた機械から酸素は放出されているが、水槽の中に水以外のものは入っていない。正確には水槽の底に砂利が敷かれていて、いかにもメフィストが好きそうな派手な飾りもいくつかある。つまりこの場合、生き物がいない、という意味として捉えてもらいたい。
そんな水槽を見ながらメフィストはため息を吐いた。
「あ、にうえ」
搾り出すように呟かれた声はメフィストの下にいるアマイモンから発せられたものだった。
アマイモンは、メフィストが自分の上に跨っているというこの状況に大いに興奮していた。例え直前まで殴られていたとしても。例え自分の首がメフィストの手によって絞められていようとも。
メフィストは全てを理解していた。アマイモンが彼に抱いている感情でさえ。
理解した上で、自分のフラストレーションを晴らす為にアマイモンを利用している。そしてアマイモンもそれに満足してしまっている。
哀れだ、とは思う。だが同情はしない。なぜならこれは本人は望んだことなのだから。
「抱いてやろうか、アマイモン」
「はい。お願いします兄上」
即答した彼の答えを聞いてメフィストは思わず嘲笑してしまった。そしてアマイモンはそれを見て、快感から無自覚に顔を赤らめた。
絶えず、水槽からは酸素が排出されている音がする。
ごぽごぽ
ごぽ、
▼アマイモンがドMとか萌えませんか。あっ私だけか…。補足すると、メフィストに恋愛感情は全くありません。